エターナルサンシャイン(2004)
バレンタインデー目前のある日、ジョエルは不思議な手紙を受取った。
『クレメンタインはジョエルの記憶を全て消し去りました。以後彼女の
過去につぃて絶対触れないようにお願いします −ラクーナ社ー』
あのケンカはいつものケンカだと思ってまた仲直りできると思っていた。
ジョエルは恋人クレメンタインがそんなことをしてしまったと知り自分も
記憶を消そうとラクーナ社へ飛び込んでいく。
思い出の品で記憶の経路図を作り『思い出の記憶』だけを患者が一晩眠って
いる間に消してしまうというものだった。
ラクーナ社の医師ハワードの指示通り睡眠薬を飲み、社の技術者達がその間に
ジョエルの中にあるクレメンタインの記憶を現代から過去へ消していく。
彼の脳裏には、確かに消えていってほしいケンカの記憶もあった、けれど
その殆どは宝石のように輝いている思い出だったと知ったその時、ラクーナ社の
人間たちもまた、さまよえる子羊だったことがジョエルの夢の世界の
中に入ってきてしまった・・・もうすぐ最後の記憶が消されてしまう・・・
(原題名:Eternal Sunshine of the Spotless mind)
監督:
ミシェル・ゴンドリー
脚本:
チャーリー・カウフマン
出演:
ジム・キャリー
(ジョエル・バリッシュ)
ケイト・ウィンスレット
(クレメンタイン・クルシェンスキー)
キルスティン・ダンスト
(メアリー)
イライジャ・ウッド
(パトリック)
マーク・ラファロ
(スタン)
トム・ウィルキンソン
(ハワード・ミュージックワック)
REVIEW(*****)
『マスク』や『エース〜』でジムたまを知った方に不評で
オクラ入りになった作品に『ジム・キャリーのロングウェイホーム』
というのがある。そんなにレンタするなら買えばいいじゃん・・・
というぐらいレンタしたシロモノだけど。この役に今回のジムたま
印象としては近いかもしれない。
この時に消化不良だった部分をミゴトに補って戻ってきた、
そんな感じがした。
某映画誌は撮影中、家の中では『迷い悩めるハムレット状態』という
コトが描かれたことがあった。そんな『悩めるジムたま』は本人としては銀幕の世界に
出したくない、ましてやそれを『ウリ』にするなんて出来ないコトなのだろう
対するケイトも、古風な正統派女優で売ってきたのが『SID and Nancy』の
のNancyのような、破天荒な感じに変身。
でもただの『破天荒』じゃない、あの『髪の色』には彼女の今持っている
気持ちの変化が現れていて、それこそが彼女の『本心』でもあったかもしれない。
それをジムたま演じるジョエルに感じとって貰えなかったばかりか、
髪の色をかえる『行為』が『移り気でふしだら』と思われてしまうところが
哀しかった。クレメンタインの記憶を消した後で、ラクーナ社のスタッフの
パトリックがジョエルと同じ方法で彼女に近づこうとするんだけど、結局
いくら『方法』だけをマネてもそれは『ジョエルという存在』があってこそ
彼女の心を動かしたもの。これって巷にでてる『こうすれば恋愛が成功する
クドキ文句とスポット!』とかウンチク書いてる本全てにいえてるかもしれない。
そして『記憶をたとえ消しても、また同じ人を好きにならないとも限らない』
という事実。それをスタッフ自らが知ることで、ジョエルとクレメンタインは
救われるのだけど、そのときにジョエルのクルマの窓を覗き込むイライジャ
演じるパトリックの表情がまるでフロド(爆)。
やがて二人はお互いが、どうしてこうなったのか初心に戻るのだけど、
『やっぱりこうなってもまた戻ってきてしまうのが運命』・・・そう思えたからこそ
ああいうラストになった・・・そんな感じがします。


オペラハット(1936)
バーモント州の小さな村、マンドレイクフォールに住む
チューバ奏者兼絵葉書詩人のロングフェロー・ディーズは  村の皆の人気者。
ある日、彼の遠縁の大富豪の叔父が亡くなり膨大な遺産を
 引き継ぐことになった彼の元に、NYから弁護士やら投資家やら
が、彼の元へ押しかけ、彼があったこともない遠縁の親戚までが
財産譲渡を言い出してくる始末。
最初は何がなんだかわからないまま、自分の周りに集って来た
人間に資金運用を任せてきたディーズだったが、やがて彼は
自分の財産を有効な方法へ活用していこうと、投資家たちの
目をすり抜けて、NYの邸宅をすり抜けて、表へ出て行く。
その頃、そんなディーズの特ダネをとろうとする女性記者
ベイブが、上司から『もしスクープを取れたら、休暇をやる』
という条件つきで、ディーズの後を追っていた。
偶然にも、ベイブはディーズは、邸宅から表へ連れ出すのに成功。
色々と、彼の話を聞きだすことに成功する。
そんなディーズを新聞は『シンデレラ・ボーイ』とかきたて
はやしたてるのだが、ベイブは本心は純粋なディーズに触れるたび
記事を書くのをためらうのだった。
彼女が、ついに記事を書くのをやめたときは既に遅し、ディーズは
彼女の正体を知ってしまい、うちひしがれるが・・・
(原題名:Mr/Deeds Goes To Town)
監督:
フランク・キャプラ
原作:
クラレンス
バリントン・ケーランド
脚本:出演:
ゲイリー・クーパー
(ロングフェロー・ディーズ)
ジーン・アーサー
(ベイブ・ベネット/
メアリー・ドーソン)
ジョージ・バンクロフト
(マクウォード)
ライオネル・スタンダー
(コーネリアス・コブ)
ダグラス・ダンブライ
(ジョン・セダー)
REVIEW(****)
G・クーパーが初めてアカデミーにノミネートされた作品で
邦題の『オペラハット』は原作となった、アメリカの
Mercury magazineで'35年(昭10)4〜9月に連載されていた
小説の題名から。
後にA・サンドラーで『Mr.ディーズ』のリメイクになりますが
主人公を演じる俳優が違えば作風も全く違うワケで(爆)
本作で、Deedsは『シンデレラ・ボーイ』ですが
リメイクでは『Here's Mr.Luck(マヌケ)』になってるアタリが
また貨幣価値も昔と今と違うのでこの頃はン千万で『膨大な遺産』
だったのがリメイクだと『400億』の遺産になってるという。
サンドラーちゃんのリメイクは、向こうのレビューを見ていただく
コトにして、コチラは本家。
二枚目にして『アメリカの良心』といわれたG・クーパー
多分、一番二枚目だった頃の作品かもしれません。
彼に集る投資家や弁護士がよってきても、そこらが脚本が
リスキン+監督キャプラの映画の主人公、田舎出身と騙そう
たってそうは問屋がおろさない。
本当に必要なものだけはきちんと見てるという。
シンデレラボーイの汚名を覆すべく、自分の邸宅が即席職安に
変わっちゃうシーンは、おいおいとも思ったし、これぞキャプラ映画
の醍醐味とも思ったし。それが『偽善者扱い』される裁判のシーンは
脚本家リスキンの技とも感じさせました。
だま〜って聞いてて最後にディーズが『ナンだかんだ言うけれど、
マジメにこの問題考えてるお偉いさんっていないんじゃない?』
と一人一人を風刺していくシーンは脚本家+監督のなせるワザかも。
ラストで、疑いがみんなハレて、応援してくれた民衆にもみくちゃに
されて、背広ビリビリ状態でベイブの元へ走ってくるディーズは
カッコいいし、チャーミング。これは彼でなくてはいけませんねぇ〜。


エボリューション(2001)
ある夜、アリゾナ州の砂漠の真ん中に隕石が落ちてきた。
その場に居合わせたのは、翌日に消防士採用試験を控えて練習中だった
ウェイン。自慢の愛車はズタボロになるわ、次の採用試験は半年後だわ
それまで、プールの監視のフリーターに逆戻り。
一方、隕石落下に喜んだのが、大学の生物学教授のアイラと
地質学教授のハリー。これでノーベル賞をかっさらおうと、
隕石のカケラを頂いたところで、軍の調査隊に現場を
差し押さえられてしまう。
ブス腐れていた二人の元に、ウェインが、どうやらナゾの隕石
 から細胞分裂したらしきオオトカゲのような生き物の死体を
2人の元に持ち込んだ。プールでイチャモンつけられた客が、夜中にコレに
 被害にあったというのだ。三人の考えでは想像もつかないスピードで進化
していっている隕石内の生物は、今度は翼竜になって、ショッピングモールで
襲いかかかってきた。ウェインが陽動作戦にでて、アイラとハリーが銃でしとめ、
何とか撃退したものの、このまま隕石内のエイリアンが進化してしまっては
タイヘンなことになる。
そこに、最初は軍の調査団にいて、アイラと反目していたが、追い出された
アリソンも加わり、意外なエイリアンの弱点をみつけだす・・・
(原題名:Evolution)
監督:
アイバン・ライトマン
脚本
ドン・ジャコビー
出演:
デヴィッド・ドウガヴニー
(アイラ・ケイン)
ジュリアン・ムーア
(アリソン・リード)
オーランド・ジョーンズ
(ハリー・ブロック)
ショーン・ウィリアム・スコット
(ウェイン・グレイ)
テッド・リーン
(ジーン・グッドマン)
REVIEW(*)
この点なんて、滅多なコトでつけないのだけど、映画館に行かなくてよかったわ(汗)
D.デュガブニーというヒトコトでヨッポド・・・と思ったけれど、何?
エイリアン?オバカ?グロい?ドウガブニーもたいしたコトないの?じゃやめる、というワケで。
  見所つーと、翼竜をS.W.スコットがショッピングモールのど真ん中で歌って
  おびき出して(この演出がいかにもこのカントクか)出てきたところで、ドウガブニーが撃つ、という
  あのショットと、エイリアンの弱点説明するシーンはモルダーを思い出したので、カッコよかった
ですね〜、そういえば『X-File』をマトモに見てないのも、キモいのが
苦手だからだった、モルダ〜今頃はエイリアンになってるかもしれない・・・(オイ)
とにかく、ミミズみたいなエイリアンが、うじょうじょでてくるわ、
プレデターもどきもでてくるわ、ラスト極めつけが、巨大エイリアンに
フケとりシャンプーを水かわりに消防車のタンクに積んで、浣○してお開き・・・て、これ
食事前に見てる人はどうするんだよ〜オイ!シャレにもならねぇぞ、カントク!
アイラとアリソンのロマンスもオマケみたいだし〜CGは同じような理由で
 見に行くのをやめた『スターシップトルーパーズ』と同じ人だし〜。
衣装ダセーし・・・でも映画館で結構長い間やってたよなぁ、何でだろう?


アイ・アム・デヴィッド(2005)
時は'52年のブルガリア。第二次世界大戦後の東欧諸国は
共産主義の嵐が吹き荒れ、反体制主義者は秘密警察の手により
強制収容所に送られ,過酷な強制労働と監視の末、命を落として行った。
12歳の少年デヴィッドは幼い頃、反政府主義者の両親と生き別れになり
物心ついた頃からこの強制収容所で暮らしている彼の眼は希望の光も
なく笑顔もなくなってしまった。
そんな彼に親子ほど年の違う青年ヨハンは時に、父となり兄となり
『外には君の知らないすばらしい世界がある、諦めるな』と言い聞かせる。
ある日、そのデヴィッドの前で彼をずっと庇ってくれていたヨハンが
看守に銃殺された。
『明日私は転勤する、もう君を守ってやることは出来ない、ヨハンのことは
残念だった、これを持って今晩逃げるんだ・・・』
デヴィッドは謎の声に導かれ、目的地デンマークに着くまで空けては
いけないといわれた封書と、謎の声の主がくれた方位磁石、ひとかけのパン
石鹸をカバンにつめて一路、言われたとおりにまずはギリシャの国境を
すりぬけ、イタリアいきの船に密航する。
誰も信用するな、そして収容所育ちだから多言語に通じているはず、落ち着いて
聞けば何語でもわかる・・・ひたすら北へ向かうんだ・・・、謎の声だけがデヴィッド
のたよりだった。
イタリア行きの船の中では船員ロベルトに密航をみつかりそうになるが、
ソ連製のナイフを渡すことで、密航を見逃してもらう。
が、彼のように旅を手伝ってくれる人間ばかりではない。デヴィッドの
暗い眼差しにイタリアの人々は疑いの目を向け、警察に突き出そうとする。
途中であったパン屋の主人も、山小屋の火事から少女マリアを救った時も
彼女の両親は、デヴィッドの素性を探り当てようとした・・・
素性が判れば、収容所に逆戻りしてしまう・・・デヴィッドの旅に安らぎはなかった。
『誰も信用するな』とはそういう意味だったのだ
そんな中、デヴィッドはイタリアの国境近くで絵を描く老女ソフィーに
モデルになってくれるように頼まれる。
デヴィッドに何かしら深い事情がある事を察したソフィーは、パスポートの
ないデヴィッドを自分の孫だといい、スイスの自分の家に招きいれるのだった。
また警察につきだされるのではないか・・・山小屋の事故からマリアを
救ったときも・・・『ボクを密告しないで・・・』そんなデヴィッドに
誰にそんな権利があると言い、何があったか判らないけれど、できる限りで
何も聞かないから力になるというソフィーに今までの思いが一気にふきだした
デヴィッドの姿がそこにあった。
翌日、ソフィーと共に町の本屋に入ると、旅の途中で何度も見かけた本
『旅と哀しみ』をまたみかけた。ソフィーにその内容を聞くデヴィッド。
そこには思いもよらぬ旅の終着点が隠されていた・・・
(原題名:I Am David)
監督:脚本:
ポール・フェイグ
出演:
ベン・ティバー
(デイヴィッド)
ジム・カウィーゼル
(ヨハン)
ジョーン・プロウライト
(ソフィー)
フリスト・ショボフ
(収容所の男)
フランチェスコ・デビート
(ロベルト)
ヴィオラ・カリンシ
(マリア)
マリア・ボネヴィー
(デヴィッドの母)

シルヴィア・デ・サンティス
(マリアの母
エルザ)

パコ・レコンティ
(マリアの父
ジョバンニ)

アレッサンドロ・スパンドゥニ
(カルロ)
REVIEW(*****)
世界18カ国語に訳され、米国では『North to Freedom』の題名で
教科書に載るほどの名作。・・・がここは日本で(汗)作品に関する
予備知識を全くいれずただ、ジムカウィの新作というだけで
見に行ったら、もう何というか、大当たりやツボにはまったとか、
そういう言葉を映画に対して使うのが失礼かもしれないというぐらい、
映画の途中で、おいおい泣いてしまって、エンドロールの終わりに
このまま『メッセージ・イン・ア・ボトル』の時のように映画館から
出れなくなったらどうしよう状態になったのは、『海の上のピアニスト』以来
かれこれ五年ぶりです。それで大好きなジムカウィですから。
『ああ無情』や『母を訪ねて三千里』を覚えるまで読んだ身として、
デヴィッドの物語は力強く、『人に何をしてどう関わる事が本当の親切か』
を主観客観を通して思い知らされるドラマかもしれません。
デヴィッドは強制収容所から理由あり脱走した身、何があっても道中
誰にも捕まることなく、身分がバレることなくデンマークまでたどりつかなくては
ならない。その道中で『余計なことは何も聞かないで旅の手助けだけ』を
する人間は過去に自分が余程辛い思いをした人間か、世の中のルールに
縛られないで生きていく事を選んだ人間だけなのかもしれないです。
この話の中で、最初に旅の手助けをしたロベルトが、マリアの家から傷心を
抱え逃げるように出てきたデヴィッドに再会し、『ミラノまでなら送ってやるよ』
といったシーンが印象的でした。反対に一番ヒドいなぁ・・・と思ったのは
マリアの家族かもしれないですね、すごく裕福で、最初はデヴィッドを家族に
迎え入れようとするのに、身元が怪しいかもと思ったら追い出そうとする。
行く先々で、デヴィッドは収容所から逃げてきたことを言い出せずに
サーカスから来たというのだけど、すぐにバレちゃう。
そんな子供が下手な嘘をついてる理由の裏にあることまで何で判らないんだろう
そして、そんなデヴィッドが最終的に心を開いたのは、そんな下手な嘘をつく
必要がないぐらいの愛情や、『余計なお世話』をしない人々であった事実。
本の存在を知ったその時、自らの想像もつかない程の愛に守られ
旅は進んでいたのを知るデヴィッドの姿を見てやっとホっとして、
また涙が止まりませんでした。
わが子に『外の世界』を 見せるために、身代わりになって死ぬという
役を演じたジムカウィ。最近の作品、ボロボロの衣オンパレード・・・(汗)
でも、やっぱりいいです、ハイ。どんな貧しい格好でも
デヴィッド役のB.ティバー、さすが『リトル・ダンサー』のキャスティング・
ディレクターが発掘してきただけあって、サスガの名演技。


アイランド(2005)
美しい海をセイリングする船…理想の島『アイランド』に
今日こそ辿りつける…そう思った瞬間、海の底へ何者かに
引きずりこまれる…それは毎晩のように見る悪夢…
外は汚染されていると教え込まれ、この施設に来て三年、
リンカーン=6=エコーは何不自由ない生活を送りながらも
疑問を感じていた。
衣食住のみならず、言動も管理された生活、健康管理の為の
適度な運動とオートメーション化された仕事。
施設にいる人間の唯一の楽しみといえば、地球上にある
唯一汚染されていない島『アイランド』に抽選にあたって
行く事。今日も、コミュニティにきて半年の
スタークウェザーが抽選にあたった一方で、7年もいて
当たらないガンディが八つ当たりしていた。
その中、リンカーンにとっての他の楽しみは、女子棟にいる
ジョーダンと話すこと。
男女の手すらも触れては注意される規則にリンカーンはまたも
疑問を抱く。
そんな彼は、通風穴から一匹の蛾が入ってくるのを見つける。
そとの空気が汚染されていたら、昆虫も生き延びていけない
ハズなのに…。
そんな中、ジョーダンのアイランド行きが決定した。
以前から疑問を抱いていた、リンカーンは、関係者の通路を使い
施設の裏側に回る。そこでみた実態とは…
(原題名:The Island)
監督:
マイケル・ベイ
脚本:
カスピアン・トレッドウェル
オーウェン
出演:
ユアン・マクレガー
(リンカーン=6=エコー/
トム・リンカーン)
スカーレット・ヨハンソン
(ジョーダン 2 デルタ
サラ・ジョーダン)
ジャイモン・ホンソー
(アルバート・ローレン)
スティーブ・ブシェミ
(マッコード)
マイケル・クラーク
ダンカン
(スタークウェザー)
イーサン・フィリップス
(ジョーンズ=3=エコー)
ブライアン・ステパネク
(ガーダ 3エコー)
ノア・ティシュビー
(コミュニティ・アナウンサー)
REVIEW(**)
スピルバーグとタッグを組んだというのもあって、M.ベイの
アクションものにしては、『アルマゲドン』のように大味でもなく
むしろ、手厳しく言うと、中身のあまりない『マイノリティ・レポート』を
見てるような錯覚に陥った。
それも『マイノリティ〜』には短くても、原作の柱はあるわけで
こちらはベースとなるストーリーを企画段階であちらこちらに
移した分、ラストで『全員脱走させたクローンってどうなるの』
とか、本来なら植物状態で育てるという『保険』で預かった
クローンを覚醒させたという問題には中途半端にしか
触れていないという、後始末の悪い感じは拒めない。
この監督の手腕のマズさを救ってくれたのは主役陣かも。
ユアンが、一人二役を演じるシーンは、どこかのアクション俳優が
十八番にしてる一人二役とは雲泥の差になって
エコーの方は、純粋なアメリカン。トムは、金持ちで遊びまくった
気難しいスコティッシュを使い分けたのもナカナカです。
日本で言うなら、神戸っ子と京都の梨園の系列のボンボンを
演じ分けたようなモノかもしれん。
ブシェミは、『アルマゲドン』に比べたらよっぽど彼らしい
今回はマトモ役なだったかも。
前回は彼でなくてもいいんじゃないの(汗)というぐらいだったし…。
S.ビーンの悪役ぶりは『ゴールデンアイ』を思い出すようでした。
ヨハンソンは、見た後で、『モンタナの〜』のあの女の子が?と
気がつきました。や〜美人になるとは思っていたものの…。
前半の静けさと違い、後半は手に汗を握るアクションで押し捲る
二時間11分でしたが…いくつかは見るに耐え兼ねないシーンは
ありましたねぇ…ユアンの目の玉にゴミみたいなドロイドが入るシーンが
クローズUpになるところや、クローンをセルから出すシーンや。
映画のレート以前の問題ってのもあって星二つ。


ウィズアウト・ユー(1999)
駆け出しの映画監督ジェイクは、ミュージッククリップ製作で
腕を磨きようやくそこそこの予算の映画撮影のご指名がかかったばかり。
が、いざ映画撮影の段になると、プロデューサーは無理難題を
押し付けてきて、自分流は突き通せない。
ビデオクリップ時代からの友人で『U2』のメンバー、ボノは
そんなジェイクの数少ない理解者の一人だった。
ある日、ジェイクは俳優仲間と気晴らしにファッションショーに
出かけるとキャットウォークを華麗に歩くモデル、ステラに
目が釘付けになる。あけてもくれても、目の前にチラつくのは
ステラの顔ばかり、そんな思いが通じたのかどうかは
しらないが、向こうがジェイクを探し当ててきて、二人は
成り行きまかせに同棲してしまう。
が、忙しい二人の心はすれ違いばかり、ジェイクは相変わらず
プロデューサーに難題を押し付けられ、クビ寸前、ステラは
モデル業に疑問を抱いていた…がお互いの悩みは相談しようにも
お互いの話を聞こうともしないのに、自分の話は聞いて欲しい
切羽詰った状態。そんな中、ステラが身ごもってしまう。
ジェイクに何もかも余裕がないのを悟ったステラはジェイクに
黙って、堕ろして出て行ってしまう。
恋も職も失ってしまったジェイクに、ボノは最後のチャンスだと
自分のツアーを撮影させる。ヤケクソになっていたジェイクは
撮影にのめりこみ、ツアーに来ていたエキセントリックな追っかけの
女の子ピアと出会って一日で結婚式を挙げてしまう。
翌日、U2の『ポートレイト』ツアーがはじまった…ボノは
そこに『何を』しかけたのか…
(原題名:Enthorpy)
監督:脚本:
フィル・ジョアーノ
出演:
スティーブン・ドーフ
(ジェイク)
ジュティット・ゴトーレシュ
(ステラ)
ケリー・マクドナルド
(ピア)
ローレン・ホリー
(クレア)
フランク・ヴィンセント
(サル)
ジョン・テニー
(ケヴィン)
ヘクター・エリゾンド
(プロデューサー)
U2
(ボノ/THE EDGE/
アダム・クレイトン/
ラリー・ ミューレン Jr.)
REVIEW(***)
監督が、U2のミュージッククリップから映画監督になった
…というのもあり、映画のクライマックスでモノホンのU2の
ライブジャックを出来たワケはここにあったという。
ストーリーとしては、『メトロに恋して』と比べて、
『現代のオトコの方が弱いのかな〜』というアレなのかも+
男性なら一度や二度はこんな恋をした覚えはあるかもしれないという。
『ウィズアウト・ユー』には、彼らの危なげな恋を何とか成就させ
ようとカメオなり、面白いキャラ(お喋りネコ)なり出てくるのが
面白かったのですが『メトロ〜』だと、彼女がAIDSとわかっちゃったら
『オイ、もう引くのかよ』という。
恋の終わり方にしても『ウィズアウト〜』は彼女にフラれたら
帰ってしまうのがいがったすね。『メトロ〜』はストーカーに
なりそうで(汗)
S.ドーフにしては珍しい系のロマンスもの、どうしてコレを
選んだかというと、『ブレイド』で吸血鬼を演じた時に母親に
怒髪超をぬく勢いで怒られ、その『安心料』の為にこれを選んだそう
親孝行もタイヘンですねぇ


イン・ハー・シューズ(2005)
靴のサイズ、DNA,少女時代の哀しい思い出・・・それ以外に全く共通点のない姉妹・・・
姉のローズはフィラデルフィアの大手法律事務所の勤める敏腕弁護士、
仕事は充実しているが、太目の体系がコンプレックスで恋愛にはいつも後ろ向き。
アパートには一回履いただけで出番を待つ高級靴が並べてある。
妹のマギーは、ゴージャスなルックスで、その日の相手に不自由しないが、無資格
無収入、高卒で学歴もなく親友もいない彼女は、実は難読症が一番の悩みだった。
 ローズが上司のジムと付き合いはじめた矢先に、養母シデルに追い出されたマギーが
ローズのアパートに転がり込んできた。
自立するまでの条件付ということで居候させるが、何をやらせても失敗続き。
マギーのだらしなさに怒ったローズに逆ギレしたマギーはローズのいない間に
ジムをベットにひきずりこみ、ローズに追い出されてしまう。
行くあてもなく、ふとしたことから私物の整理をするよう義母シデルにいわれ
立ち寄った家で見つけたのは、亡くなったと聞かされていた自分たちあての
祖母エラからのクリスマスカード、それも毎年・・・まだみぬ祖母エラはまだ
カードの宛先フロリダに住んでいるのだろうか・・・マギーはフロリダに飛び立つ・・・
(原題名:In Her Shoes)
監督:
カーティス・ハンソン
脚本:
スザンナ・グラント
出演:
キャメロン・ディアス
(マギー・フェラー)
トニー・コレット
(ローズ・フェラー)
シャーリー・マクレーン
(エラ・ハーシュ)
マーク・フォイアスタイン
(サイモン・スタイン)
リチャード・バージ
(ジム・デンバース)
ブルック・スミス
(エイミー)
ノーマン・ロイド
(教授)
REVIEW(****)
原題名の意味は『彼女の身になって』・・・ですが
ローズがクローゼットにしまいこんでるのにはかない靴
それをスネかじりの分際で借りていって履こうとする妹の
ダブルミーニングになってるかもしれないですね。
『全く違う』と姉妹自身が思っていたのに、お互いの共通点は
今まで封印されてきた死んだ母親の思いがけない生きるパワー
がいい方向に向いたからかもしれない。
残念かもしれないけど、彼女たちの母親は、それを実母エラにも
夫にも理解されずに死んでしまうことになったのだけど。
その『誰にも理解されなかった母親の一面』が姉妹の内側で
違う形でくすぶっていたから、マギーは難読症を抱え、人間関係から
あらゆる社会関係において前に進めなくなり、ローズは
仕事で邁進することでコンプレックスをカバーしてきた・・・
そして、マギーが出て行く一件で、ローズは企業して
自分の中にある、人を癒す力を、マギーは祖母エラを尋ねることで
難読症に初めて正面から向き合い、克服できることだと知る。
姉妹をいい方向で生かしていく立役者が、シャーリー・マクレーン
演じる、エラ。お金を無心するマギーに、最初からそんな目的で
来たことが判っていて働く術を教えていく所がいい。
社会は既にマギーに何一つ教えてはくれない状況の中、
もう、社会に出れる所まで育ててくれるのは身内しかない
という今の社会につきつけられる現実を浮き彫りにしている。
ラスト近くで、マギーが施設で朗読を担当していた教授が
なくなり彼の息子が尋ねてくるシーンが印象的だった。
なんらかの病気を持っていたり、克服しようと努力してる
人間にとって、それをよく知ってる人間が傍にいてくれることほど
心強いものはないのだから。


オリバーツイスト(2005)
19世紀の英国、養育院で育った孤児オリバー・ツイストは
9歳になったので、教区使のハンブルの連れられ、救貧院に
戻される救貧院の制度が変わって以来、食事は御粥一杯だけ、
空腹で眠れない日々が続く中、オリバーたちは麻屑作りを朝から晩まで
させられた。
ある日、子供たちは空腹に耐えかねて御粥のお代わりを要求するものをくじ引きで
  決めたら、オリバーに貧乏くじがあたってしまい、憤慨した委員から
追放処分を受けることになる。
 オリバーを引き取ったのは、心優しい葬儀屋のサワベリー氏だった。
しかし、彼の妻や、先輩格のノアは彼を邪魔者扱いして残飯を食べさせる。
ある日、ノアがオリバーの母親の悪口をいい喧嘩をふっかけて、自分から出て行く
ように仕向けるのだった。
どこにも行くあてがない・・・何日も歩き通しで、彼を助けたのは老婆一人、
それでもオリバーは『ロンドンまで70マイル』とかかれた表札の文字を
見てロンドンに出れば何かあるかもしれないと歩いていった。
一週間歩き詰めでロンドンに辿りついて倒れていたオリバーを見つけたのが
シルクハットをかぶった大人のようないでたちのスリ・ロジャーだった。
ロジャーは『タダで泊まれるところがある』といって、オリバーを
スリの大元フェイギンの元へ案内していく。
どこか怪しげではあるが憎めないフェイギンと自分と同じ年頃の子供たち。
どこからともなく毎日少年たちは何かを仕入れてくるが、オリバーには彼らの仕事が
何かわからない。
フェイギンは少年たちが彼のポケットからハンカチや時計を盗むスリの練習を
オリバーに『ゲームだ』といって喜ばせ、スリの仕事を覚えさせる。
オリバーの腕が上達したころ、フェイギンはドジャーたちと一緒に出かけさせるが、
オリバーだけが逃げ遅れてしまい、法廷につきだされるが、気をうしなってしまう。
本屋の店主の証言でオリバーの無実がとけ、ハンカチをすられた紳士
ブラウンロー氏の良心でオリバーは引き取られることになったが、フェイギンと
彼の悪党仲間、ビルは彼らの悪行がバレないかオリバーの行方を
探らせていた… (原題名:Oliver Twist)
監督:
ロマン・ポランスキー
脚本:
ロナルド・ハーウッド
出演:
バーニー・クラーク
(オリバー・ツイスト)
ベン・キングスレー
(フェイギン)
ハリー・イーデン
(アートフル・ロジャー)
ジェイミー・フォアマン
(ビル・サイクス)
エドワード・ハードウィック
(ブラウンロー氏)
マーク・ストロング
(トビー・クラキット)
リアン・ロウ
(ナンシー)
ジェレミー・スイフト
(バンブル)
フランシス・キューカ
ベドウィン夫人)
クリス・オーバートン
(ノア・クレイポール)
マイケル・ヒース
(サワベリー氏)
ジリアン・ハンナ
(サワベリー夫人)
REVIEW(*****)
『戦場のピアニスト』でも思ったのだけど、
  『どこでみつけてくるんだろうな〜』と思うような
俳優や、色彩の組み合わせ方、セットの組み方など
ディゲンズの名作の映画化というのもさることながら
それに負けない手腕にも感心してしまう。
最初と最後が見事なエッチングから本物の背景に
本物の背景からエッチングに・・・という演出も
美しかったし、CGに頼らなかった点もいがったです
『お涙頂戴』に仕上げるのではなく、オリバーたちの視線で
 時には大人たちにおびえ、時には淡々と語り、また時には
オリバーの視線を通してこの小説の書かれた時代背景を
 調刺する。
 救貧院で御粥のお代わりを要求するシーンでも
本来ならご飯なのに、水増しをしていて、役員たちはぬくぬくと
暖炉のある部屋でご馳走を食べ、オリバーが御粥のお代わりを
要求してきたことに憤慨する、救貧院制度の矛盾をついた風刺。
オリバーがスリと間違われて法廷に連れて行かれるシーンの裁判官でも
この頃の地方裁判官は、地方の名士がなるのが当たり前で
判決もいい加減だったという、もっと重い罪は公開裁判になり、
絞首刑が公開だったので、ショーを見物するように一般市民が
見に来たので、この話の中でも『今に絞首刑になる』という
言葉がたびたびでるのは、絞首刑一般公開への皮肉だ。
また、近代のリストラへの批判もこんなに早くから書かれている
のが、フェイギンがオリバーの寝ている間に宝箱を開けるシーン。
自分に用済みともあれば、どんどん警察に密告して絞首刑に
してしまう。そして彼らの一番の手柄をみて『いいやつだった』という。
ラストに、錯乱状態になったフェイギンがオリバーに
『あの宝の箱はみんなお前にあげるよ』といった意味はなんだったのだろうか。
泥棒稼業以上に彼を最後に変える『何か』をオリバーが持っていたから
作者ディゲンスもそういった願いを主人公にこめたかもしれない。
主役の男の子は、どこでさがしてきたんだろう〜と思うほどハマり役、
それ以上に、憎めない、ベン・キングスレーのフェイギンも
よかったです。


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