ヒトラー最期の12日間(2005)
'42年、東プロイセンにあるナチスの指令本部『狼の巣』に
数人の女性がナチの親衛隊に護衛され向かっていった。
彼女らはヒトラーの個人秘書候補で、ヒトラーはその中から
ミュンヘン出身のユンゲを選ぶ。ミュンヘンはこの頃のヒトラーに
とって『望郷の地』以外何物でもなかった。
それから二年半後、'45年の4/20、ベルリン。
迫りくるソ連軍からの砲火になかなか、ヒトラーは頑固として
地下要塞への避難を受け入れない。
建築家でもあるシュピアーがやってきた時には、彼の作った
建築模型に魅入り、『今、攻撃によって建物が破壊されてるのは
壊す手間が省けていい』と正気の沙汰でないことまで言い張る。
側近らがヒトラーの愛人エヴァに避難するよう勧めるが
彼女もまた現実逃避の乱痴気パーティーを繰り返し、それを
秘書のユンゲは見ているしかなかった。
  が、その真夜中のパーティーの最中に爆撃を受け、急遽
身内や側近たちと共に地下要塞へ逃れることになる。
このままでは、ベルリンは崩壊すると誰もが思う中、ヒトラー
だけが、不可能としか思えない大逆転シナリオを戦略地図の上で
語る中、ヒムラーまでもが脱出を勧めるが、彼は聞き入れない。
要塞の中では、酒盛りが開かれ、士気が下がる中、表へ出れば
ベルリン市内は地獄のようでもあった。
ユンゲの周りからも、側近や副官が次々と姿を消していき、
ヒトラーの愛人だったエヴァは彼女に大事にしていた
シルバーミンクのコートを渡すというのだった・・・
『あなたは生き残るのよ・・・』
 彼女はそのときには気がつけないでいた。どんな『怪物』に
自分は使えていたのかを・・・
(原題名:Der Undergang)
監督:
オリバー・ヒルシューゲル
原作:
ヨアヒム・フェスト
トアウドゥル・ユンゲ
脚本:
ベルント・アイヒンガー
出演:
ブルーノ・ガンツ
(アドルフ・ヒットラー)
アレクサンドル・マリア
ララ
(トアウドゥル・ユンゲ)
コリンナ・ハルフォーフ
(マクダ・ゲッペルス)
ウルリッヒ・マテス
(ヨゼフ・ゲッペルス)
ユリアーネ・ケーラ
(エヴァ・ブラウン)
ハイノ・フェルヒ
(アルベルト・シュピアー)
クリスチャン・ベルケル
(シェンク博士)
トーマス・クレッチマン
(ヘルマン・フェーゲライン)
ブリジット・ミニシュマー
(ゲルダ・クリスチャン)
ウルリッヒ・ノーザン
(ハインリヒ・ヒムラー)
アンドレ・ヘンケル
(ウィリヘム・モーンケ)
ゴッツ・オットー
(オットー・ガンジュ)
ドノヴァン・デュニア
(ペータ・クラッツ)
マティアス・ゴナディガ
(ヘルマン・ゲーリング)
REVIEW(****)
この映画には、ユダヤ人大虐殺も、アウシュビッツの強制労働も
書かれていない。ただ描かれているのは、秘書と側近の目からみた
ヒトラー、いわゆる『沈み行く船の乗組員と船長』の物語にも
等しくなっている。
この話の中で、建築家として出てきたシュペアーは、ヒトラーを
『矛盾した人格を常に備えている、理解することの出来ない人物だった』
と述解しているが、そうなのだろうか。
思うに、物事にしても、人とのつきあいにしても『一定の距離』
を置いて判り合える部分もあるが、ヒトラーにはそれを形成する
ことが出来なかったのかもしれない。
三度目の再婚で52歳の父親の四番目の息子で、物心ついた頃には
カタブツの年金生活の父親が、威圧的に母親の傍についているのである
本来、人生の『挫折にどう立ち向かうか』を教えるべき時に、腹違いの
兄弟は父親に反抗して家を出て死後も帰って来ず、
また、苦言をいう人間もいなかった。彼は同性の『生きる見本』
を見れなかったのが不幸だったのかもしれない。
映画の中のヒトラーは『好意を持つ者』と『裏切り者』を瞬時に嗅ぎ分ける
頭のよさを持つが故に、腹心の部下をなくしてしまう。
『力の美学』は信頼の美学から成り立つ『政治』の正反対であることを
思い知らされたとき、ヒトラーは自殺の道を選ぶしかなかったのだろう。
が、彼をここまで追い込んだのは、誰だろうか。
一人で勝手にのめりこんだわけでもないだろう。
ユダヤ人排斥運動にしても、当時、ヒトラーが戦争前に傾倒していた
ワーグナーのオペラにも含まれていたという上、アラブ系やイスラエル系が
逃げ場所を確保していく中、この時代に貧しく、金融系の職に
多くついていたユダヤ系だけが狙われたという時代にも
目を配らなければいけない。
大戦中には、副官ゲッペルスが離婚騒動になった時に、仲介したことも
ある一面もみせた独裁者。彼になかったのは『ほどほどの愛情』
というものだったのかもしれない。
国と個人を盲目的に愛した結果の悲劇に、戦争前からあった
人種問題はくすぶり、炎となり『魔』となり彼に襲い掛かったのかもしれない。
その沈み行く船のような中で、ヒトラーは秘書のユンゲには、ことごとく
『逃げなさい』とチャンスを出す。
それが、ユンゲの目に『第二次大戦最悪の独裁者』に見えなかった最大の
ことだったのかもしれない。


ビー・クール(2005)
取立て屋から映画業界に転職したものの、続編作りに飽き飽きしていた
チリ・パーマーは、元の業界に戻ろうかと考えていた。
そんな折、プロデューサーのトミーが自分のインディレーベルから
新人を売り出したいので、ビデオクリップを作ってくれと
頼み込んでくるが、その内容にチリは食指が動かない。
彼が席をはずしたスキに明らかにカツラだとわかるズラ頭の
ロシアン・マフィアにトミーとチリのベンツは撃たれ、
仕方なくチリは、トミーの美しい未亡人イーディの会社でもある
レーベルでもある会社を手伝うことになる。
早速クラブ『ヴァイパールーム』にイーディーの発掘した新人
リンダを偵察に行く二人。'70年代の時代遅れの歌を三人組のユニットで
唄っているにも関わらず、彼女はずばぬけて上手かった。
チリは彼女を手招きすると、リンダに近いうちにCDデビューさせることを
約束する。が、彼女には勘違いマネージャー、ラジとその用心棒エリオット
がついていた。エリオットが俳優志望なのを見抜くと、彼に
オーディションの約束を取り付けて、ラジを封じ込めチリは半ば
強引にリンダを連れ去ってしまう。
一方、大黒柱に去られたと報告したラジはボスである悪徳ボス、ニックから
大目玉をくらってた。何がなんでも彼女を連れ戻して来いと
命令を受けるが、肝心の用心棒は上の空。そこで、ラジは、イタリア人
の殺し屋ジョーを雇うが、あろうがことに彼は、チリの家に侵入した
ロシアン・マフィアをカンちがいして殺してしまったばかりか
居直り強盗のように、もう一回金をくれたら仕事をしなおしてもいい
という始末。エリオットもゲイというのをバカにされ、キレた二人は
バコバコになぐった挙句にジョーを殺してしまった。
一方、リンダをレコーディングスタジオにつれていったものの、イーディは
トミーの帳簿を見て愕然とする。彼の残したインディーレーベルは
設立時に多額の借金をかかえていてロシアンマフィアに巻上げられ
火の車だったのだ。そこに、お抱えの、腕はいいがタチは悪いギャングスタ
プロモーターのシン・ラサールがやってきて、未払い金30万ドルを要求する。
不安にかられ、脱走しようとする、リンダ。
取り立て屋に音楽業界はムリなのか?
チリは、シンに今は月曜だから金曜まで金を待てという。
何と、チリは、町に来ているエアロスミスのコンサートをハイジャックして
リンダをデビューさせようとしていた…
(原題名:Be Cool)
監督:
F.ゲイリー・グレイ
原作:
エルモア・レナード
脚本:
ピーター・スティンフィールド
出演:
ジョン・トラボルタ
(チリ・パーマー)
ウマ・サーマン
(イーディ・アレン)
ジェームス・ウッズ
(トミー・アレン)
ハーベイ・カイテル
(ニック・カー)
ヴィンス・ヴォーン
(ラジ)
ザ・ロック
(エリオット・ウィルヘイム)
クリスティーナ・ミリアン
(リンダ・ムーン)
セドリック・ジ・エンタテイナー
(シン・ラサール)
アンドレ3000
(ダブ)
スティーブン・タイラー
(本人)
ロバート・パストレリ
(ジョー・ループ)
ポール・アドレステイン
(ハイ・ゴードン)
ダニー・デ・ビード
(マーティン・ウェイア)
デビ・マザール
(マーラ)
REVIEW(***)
『ゲットショーティ』で取り立て屋から映画業界にアシを洗った
チリ・パーマーが帰ってくる+監督は『交渉人』ミニミニ大作戦』
   F.ゲーリ・グレイか〜…あれ?キレがあまりよくないような(汗)
E.レナードの作品に沢山登場人物が出るのはいつものことなんだけど
それも話も今ひとつきちんと整理しきれてないというか、小粋な
『レナード流』のコメディ、いかに出すかに気をとられていて
話のながれのよさは、二の次になっているところが惜しかったです。
前者二作のように、プロセスを緻密にかいていくとそれが話しの流れになる
映画ではないと思うので…う〜ん扱いが難しい作品なのかも。
前作がよかっただけに。
個々のキャラはいがったのですがね〜V.ヴォーンの大物になりたい
のだけどなれない下っ端のファッションや(どこぞの下町の質屋で一昔前に
買ったようなバー○リやヴィ○ンを平気で着てくる…)。
あからさまにゲ○のロックや、住宅街に来るのに、真っ黒なセダンに
ドスドス重低音響かせてやってくる手下に『ここは住宅保護地域だから
ステレオを消せ!』と怒鳴り、紅茶を飲むときにススりながら小指をたてる
ダブに『ううう〜それはギャングタじゃなぃぃぃ〜』と怒るシンは
トラボルタ以上に面白かったかも。
最初のシーンで『オレは続きモノがキラいだ』…とボヤくトラボルタ
自信が一番おかしいのですが。
リンダとエアロスミスのジョイントコンサートは実際のエアロスミスの
コンサートを撮影して行われたそうです。さすがですねぇ。
今回、チョロチョロ出てきて何のトクももらえなかったかわいそうな役は
もしかしたらH・カイテルかもしれん(涙)。ロックもヴォーンもリンダの
ミュージッククリップに写っちゃって、手下みんな取られちゃって(汗)。
ロシアンマフィアは、チリにまんまとはめられ、お縄になるという。
この当たりのスマートさは、前作二作を見てるモノとした一応期待は
してたのですが、むむ?ゴーインに持って行き過ぎかも…。



ホテルワンダ(2005)
'94年ルワンダの首都キガリ、ベルギー系の高級ホテルで辣腕支配人として
働くポールの元には、様々な客を持て成す為に通常では手に入らない
高級な酒も、一本一万フランするハバナ産葉巻も手に入る。
この葉巻も、食料の仕入れを頼むフツ族の民兵グループのリーダー
ジョルジュに振舞う為であった。
観光目的で来る外国人には判らないが、ルワンダは18世紀の王朝結成以降
同じ言語、宗教、人種間結婚にも差しさわりはないにもかかわらず、
肌の色のわずかな違いで、フツ族とツチ族の争いがあった。
第一次大戦でベルギーが戦利品として配下に置いたルワンダは、またしても
肌の色でツチ族を優遇したが、'59年にベルギーはルワンダ独立にあたり
民主的な政府を作ることに反対したツチ族を裏切りフツ族の反乱を後押しし、
'90年に入った今では、多数派のフツと少数派のツチといわれ、ラジオでは
公然とフツ族が非難されている。
穏健派フツ族で、妻がツチ族のポールとしては、フツ族の民兵が街を練り歩く
姿が気が気でなかった。
ポールが支配人を務める『ミル・コリン』には国連平和維持軍が駐在し、
ルワンダ政府軍のビジムング将軍が通うなどまだ平和があった。
しかし、ポールの義弟が民兵の友人からツチ族虐殺が始まるので、自分と
彼の妻タチアナだけでも出国させてくれと懇願するが、ポールには自覚がない。
が、翌日ポールはその目を耳を疑うことになる・・・
ラジオからは『フツ族大統領がツチ族に殺された』と流れ、それを信じた人々が
武器を片手にツチ族を殺し始めた・・・
家に隠れていた妻を含むツチ族の人々をかくまうため、多額の賄賂を兵士に
渡しホテルに逃げ込むポール
外資系ホテルで国連のガードするミル・コリンの前は難民キャンプのように
ツチ族の人々があふれかえっていた。
(原題名:Hotel Rwanda)
監督:脚本:
テリー・ジョージ
共同脚本:
ケア・ピアソン
出演:
ドン・チードル
(ポール・ルセサバギナ)
ソフィー・オコネドー
(タチアナ・ルセサバギナ)
モサ・カイセ
(エリス・ルセサバギナ)
マシャボ・ピーターソン
(ダイアン・ルセサバギナ)
オフェンス・モディセル
(ロジャー・ルセサバギナ)
アントニオ・デヴィド
(トーマス・ミラマ)
レレティ・フマロ
(フェデンス・ミラマ)
ゴモソ・セショロ
(アナイス・ミラマ)
レラート・モゴート
(カリーン・ミラマ)
デスモンド・デュベ
(デューベ)
ニック・ノルティ
(オリバー大佐)
ホアキン・フェニックス
(ジャック・ダグリッシュ)
ハキーム・ケ・カジム
(ジョルジュ・ルタガンダ)
トニー・ゴロージュ
(グレゴリオ)
ファナ・モコレナ
(オースティン・ビジムング)
レボ・マシーレ
(オデット)
カーラ・セイモア
(パット・アーチャー)
ロベルト・シトラン
(神父)
ジャン・レノ
(ティレン)
REVIEW(*****)
'04年12月に米国公開になり一気に全米2300館拡大公開、日本では
大規模シネコン級になった映画に、配給会社が二の足を踏んだ矢先、
20代の若者が中心となり4000人以上の署名を集め、上映館を拡大。
私個人も、かなり不便なトコに並ぶのカクゴで見に行かないとな〜
と思ったら急遽上映決定。が、みんな同じことを考えていて、
朝一番の上映にいったら、『皆は一体いつから並んでいたんだろう・・・』
というぐらい早い時間にいったハズがお立ち見でした、はぁ〜。
『お立ち見』なんて『アメリカンヒストリーX』以来,○年ぶりです。
アレもこの映画館だったような・・・。
それだけに期待に答える映画でもありました。
今まで主演映画が一本もなかったD.チードルだからこそ、最後まで
『判らない展開』としてみることが出来たかもしれません。
実在の、P・ルセサバギナはどちらかというと頼りがいのある
デンゼルと、W.スナイプスをあわせたようなタイプ。ルワンダ語、
米、仏語に長け大学でホテルマネージメントを学んだエリート。
もしも、主演を演じたことのある、ブロックバスタースターが演じたら、
当たるのは確実で、興行館も大きかったかもしれないけれど、人々の
心に残らなかったろうし、『どんなことをしても見たい』という気にはさせないだろうと。
映画のなかで、ルワンダの大虐殺を取材するカメラマンを演じたホアキンが
ポールに『貴方のテープが流れればルワンダも救われる』と言われ、
『これをお茶の間に流したところで、世界中の人々は『かわいそう』だけで夕食を
すませてしまうんだ』という一言が、よく言ってくれたと。
『かわいそう』だけならダレにでもいえると、それを言うと『だったらどうすりゃいいのよ、
かわいそう以外に何かあるっての』と逆ギレする、身内のオバサン連中は、こういう
映画は見に来ないんだろうなぁと。お金払ってまで考えるのはイヤなんだろうなと。
平和維持軍を演じた、N・ノルティが、各国の国連軍がルワンダ人でなく
宿泊している外国人とジャーナリストだけを救いに来た事実を、
『欧州の白人たちはお前たちを救う価値がないって見てるんだ。
君は頭がよく部下の信頼も厚い、でもホテルのオーナーにはなれない』
とかなぐり捨てるように言う。
自分たちがいくら現地でポールを認めても、国連には何も伝わらない
その歯がゆさも伝わってくるセリフだった。
何もかもに見捨てられても、皆を救うことを諦めない、自分宛の
ベルギーへの亡命可能なビザが出ているのに、家族を救うことを
諦めず、難民キャンプを探す姿に、映画が終わっても、
『え?この映画もしかしてもう終わったわけ』というぐらいで。
今までの、D.チードルとは違う映画でした。
最近のハリウッド大作に『半分寝かかった』ようなモノの多さに
久々の染み入る映画でした。


ブロークンフラワーズ(2005) 
かつてコンピューターで一財産を気付き、『一応』は実業家として身を立て
モテモテだったはずの男、ドン・ジョンストン
郊外の一戸建てを構えモノクロのコンテンポラリーアートに囲まれ
独身を貫く現在の彼は、ジャージの上下に身を包み、背筋だけピンと伸ばして
毎日同じTVを見ているただのミョウチクリンな男になっていた
そんな彼に愛想をつかして、最後の愛人、シェリーは彼の元を去ってしまう
それと同時に、彼の元に、ピンクの封筒に入ったピンクの手紙が届いた
イマドキ珍しくタイプライターで打たれた手紙には
『貴方の子供が今年19になって、今貴方を探す旅に出るでしょう』
などというコトが書かれてある。
一応は気にしないフリをしていたが、お隣の親友ウィンストンがやたら
身を固めるチャンスだ、ルーツを探すチャンスだと、ぎゃぁぎゃぁツっこむみ
旅のお膳立てをしだしたので、ドンも仕方なく『心当たりのある4人の女性』
をリストアップし、旅に出た。
が、これが『運命の女神』が微笑むというより、おちょくった旅路になろうとは
本人は全く思ってもいなかったのだ
(原題名:Broken Flowers)
監督:脚本
ジム・ジャームッシュ
出演:
ビル・マーレイ
(ドン・ジョンストン)
ジェフリー・ライト
(ウィンストン)
ジュリー・テルビー
(シェリー)
シャロン・ストーン
(ローラ)
アレクシス・ジーナ
(ロリータ)
フランセス・コンロイ
(ドーラ)
クリストファー・マクドナルド
(ロン)
ジェシカ・ラング
(カルメン)
クロエ・セヴィーニ
(カルメンのアシスタント)
ティルダ・スウィントン
(ペニー)
ペル・ジェイムス
(サン・グリーン)
ヒーサ=アリシア・シムズ
(モナ) ライアン・ドノフー
(バスの中の青年)
マーク・ウェイバー
(空港の青年)
ホーマー・マーレイ
(ワーゲンの中の青年)  
Review(***) 
ドン・ジョンソンの名前に一つ『s』が余分に入ってるだけで
『オトコマエにもなり損ねた下り坂のドンファン』を意味してるんじゃ
ないだろうか。それをどうすることも出来なくて、過去に一財産築いた
PCってモノも女性をある種思い出すから見たくないと。
そんな『実生活に変化を求めてなかった』ミョウチクリン男がとある
手紙を機に旅にでる。自分の人生を『作って』いくために『旅』に
半ば強制的に出さされるのだけど、行く先々で若き日の思い出はバコンバコンに
砕かれちゃうのがご愛嬌。
第一弾のレーサーの未亡人となったローラと露出狂の娘は、
かつてストーンが映画で脱いでいたからなんだろうか(汗)、
これはまだマシな方で、ドンはこれからパンチを
喰らうことになる。第二段は、無機質な建売住宅に住み、それを美徳とする
ドーラ。夕食を一緒にと言われても、出てくる料理が、どう考えても
『パックに入ってる冷凍食品、まんまとかしただけ』っぽいのが並んでるという
かつて彼女がヒッピーだったお写真を現在の彼女のダンナから見せられ
それはオレが撮った写真だとボヤく姿に昔の恋人へのゲンメツも感じる
どこか『昔のままのステキなキミでいてくれ』という唄い文句もきこえてきそうだ
第三弾は、動物の声の聞こえるお医者さんになった、かつてはエリート弁護士
志望のカルメン。ここで、飼い猫を通して『何か隠してる』といわれ
またまたショックを隠しきれなくなり、ヤケのやんぱち状態で、ラストの
ペニーを探しにいくと彼女は山奥でバイク野朗と暮らす野蛮な女性に
様変わりし、カウンターパンチを喰らってしまうのだ。
しかも、彼女がおそらく手紙の送り主かもしれない…という証拠を見つけてしまい
なくになけなくなる。
トホホの思いで街に戻ったら、息子と思しき男の子に出会うが
逃げられるし、ラストは意味深で…
なんだかんだで見つからない息子だったのだけれど『自分の人生』は
見つかったからまぁいいか、という流れがいかにもという感じでした
道中にヨタヨタと流れる、エチオピア音楽がなんともいえず
けだるいムードをかもし出す中、『息子』とおぼしき人物は
二人出てくるのですが、果たしてどちらなんでしょう?
まさか、最初の『一人目』なワケもなし。  


ホリデイ(2007)
ロスで映画の予告編製作会社を経営するアマンダの生活は
端から見れば人も羨む生活だ、プール付豪邸、同棲中の若い
作曲家のイーサンは優柔不断だがそこそこ男前、家で仕事をして
大金を稼ぐ、が、彼女に足りないのは『愛』だった
家でも仕事をする彼女に愛想をつかしたイーサンがファンの受付嬢と
浮気をしたのが原因で破局。でも仕事一筋できたのが原因で全く泣けない。
ロンドンの新聞社で恋愛記事担当のアイリスは三年間片思いも同然だった
ジャスパーにいまだ未練を感じている。
そんな彼が彼女の目の前で婚約発表し家でさめざめ泣くハメに。

『こんな家から一時でいいから離れたい』
遠くはなれたアマンダとアイリスの願いをつなぎとめたのは
インターネットの『ホームエクスチェンジ』サイト。
条件のあう相手を探し、家などを丸ごと交換するサイトだ。
アイリスとアマンダは、遠く離れたお互いの家に行くことになる。

アマンダは行き先のコテージがあまりにも遠いことに仰天しつつも到着。
最初は山奥のコテージで一人ワインを開け、TVを見ていたものの
だんだん退屈して、帰ろうかとした矢先に、アイリスの兄グラハムが
酔っ払って尋ねてきた。
初対面にも関わらず、自分のことをあらいざらい話してしまうアマンダ
でも彼の携帯には『ソフィー』『オリヴィア』と二人の女性の名前
もしかしてプレイボーイなのだろうか?
黙って彼の家に押しかけたときにまた、グラハムもアマンダ以上に
傷ついた人生を送った人間だと判る…

アイリスはついたところの豪邸ぶりに夢見心地。が、ジャスパーから
しつこく引き戻しの電話が来、現実に呼び戻されそうになる。
利用するだけ利用してひどい仕打ちをした彼に未練たらたらの自分が
許せないアイリス。そんな彼女に、家の前を散歩する名脚本家の
 アーサーが言う『自分の人生は主演女優であっていいはずだ。なのに
どうして脇役でいようとするんだい』
また、家に出入りする作曲家のマイルズも恋人マギーが内緒で
浮気していたことで悶々としていた。 それからアイリスは追っかけてきたジャスパーを吹っ切ろうと
する。そんなとき、マイルズが自分もマギーとケリをつけると
いうのだが・・・
(原題名:Holiday)
監督:脚本
ナンシー・メイヤーズ
出演:
キャメロン・ディアス
(アマンダ)
ケイト・ウィンスレット
(アイリス)
ジュード・ロウ
(グラハム)
ジャック・ブラック
(マイルズ)
イーライ・ウォーラック
(アーサー)
ミフィ・イングルフィールド
(ソフィ)
エマ・プリチャード
(オリヴィア)
ルーファス・シーウェル
(ジャスパー)
エドワード.バーンズ
(イーサン)  
REVIEW(***)
この監督さんの作品で好きなのはメルギブの『ハート・オブ・ウーマン』
なんですが、この手のロマコメじゃなくて、結末がミョウチクリンに無責任で
働く女性の夢だけベッタリ描いてるのがハナについて星が減りました。
予告みた感じはよかったんだけどな〜、これはギリギリで星三つ、
お互いのカップルがベラベラ喋るシーンがもう少し長かったら
星2つだったかも。J.ブラックのDVDコーナーのアドリブは
『もっとやってくれ〜』モノで笑えたのに(カ○オがまさかD.ホフマンだとは)
で、でもなぁ・・私、この手の『旅』に出てしまう一ヶ月近く帰ってこなくなる
危険性大なので(爆)元々住んでる土地に愛着のない人間だから。
アマンダのように大金あったら、旅ジャンキーになりそうでコワい。
もっと稼いでいたら別の国に住んで違う職業もって半分ぐらい違う土地に
住んで戻ってこないかもしれん(汗)。
映画の中ではアマンダよりアイリスの方が共感できました。
  旅先なのに家からでも電話かかってくると『うがー!!!かけてくるな!!』と
 よく逆ギレしたものです。旅先で知ってる人間の声は聞きたくねぇというホドなので。
  でも、この話のポイントとして単なる『ホームエクスチェンジ』
だけだったら、二人の人生って変わらなかったというか、周りの人間いてこそ
だと思う。
アイリスからみて、『あの環境』はジャスパーとの恋を進展させるのに役には
たたなかったろうけど、グラハムの心の傷を癒すにはよかったのだろうし
アマンダからみて当たり前だったロスの豪邸はアイリスにとっては夢で、
ジャスパーの未練を断ち切ることが出来る勇気も与えてくれたという。
よく新しい何かを始める前に『環境をかえろ』とはよくいったもので。
ワタシも2〜3年置きになんらかの形で色んな環境が変わるので
これは進歩なのかなと思いながら見ていた映画でした、でも恋愛に関しては
何も無し、なのでこれも星ヘリのひとつ。


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