ローラーボール(2002)
サンフランシスコに住む、ジョナサンはエクストレムスポーツに
入れ込んでいる毎日だが、プロのアイスホッケープレーヤーに
なる夢をあきらめかけてる自分に向き合えないでいる。
そんな折、いつものように路上で警察に追いかけられてる所を
仲間のリドリーに拾われ、ローラーボール参加のチラシを見せられた。
今や高視聴率、スターともなれば一生の暮しを約束されるスポーツ
ローラーボールなら、ジョナサンのホッケーのキャリアは生かせると。
ローラーブレーダーが硬球を鉄の高いゴールに入れるだけのごく簡単な
スポーツでありながら、一種の賭博に発展したため、莫大な中継網を
張り巡らされることになったものだった。
数ヵ月後・・・ジョナサンとリドリーは最強のチームの花形スターとなり、
その稼ぎを湯水のように使える身分となっていた。
一方で、同じチームメイトでも、明日の身分さえ保証されない者は、
視聴率の生贄に、『事故』という形でカメラの前で葬り去られる。
ルールがあって無い、ローラーボールの暗黙の掟だった。
そんな中、ジョナサンは、経営者ペトロビッチが、ローラーボールで
何を企んでいるのかを発見してしまう・・・それはチームメイトの命までも
危険にさらすことでもあった・・・
(原題名:Rollerball)
監督:
ジョン・マクティナン
原作:
ウィリアム・ハリソン('75)
脚本:
ラリー・ファガーソン
出演:
クリス・クライン
(ジョナサン・クロス)
ジャン・レノ
(アレクシス・ペトロビッチ)
LL クール J
(マーカス・リドリー)
レベッカ・
ローミン・ステイモス
(オーロラ)
ナバーン・アンドリュー
(サンチェス)
オレグ・タヴォタヴォ
(デネキン)
デヴィッド・ヘンブレム
(セロキン)
ジャネット・ライト(オルガ)
ケージ・ドーゴ
(カーシャ)
REVIEW(****)
公開当時のレビューが、あまりにもヒドかったのと(汗)+三週間か
そこらで終わってしまったので、見にいけなかったってのもあったのですが
そんなにボロカスいわれる映画でもない・・・と思いますよ。
『オーシャンズ11』『オーシャンズ12』,『60セカンズ』に出ている
S.カーンのオヤジさんのJ.カーンの代表作が,元になった'75年の『ローラーボール』
のリメイクなんですが、前作に比べたら、スピード感も増しているのと
『それは説得力無いだろう』というところを現代風にしてる
所もありましたし、何より、LLクールJとR=R=ステイモスの出てる映画で
一番マシな映画がコレだという(汗)いや、マジでこの二人がカッコいいのは
この映画ぐらいで(オイ)バイクで駆け巡るステイモスなんか
めちゃくちゃカッコいいです、ハイ。K.クライン、フっとんでます。
ストーリーは、原作は、完全管理社会に抑圧された人々が、ルールなしの
殺人ゲーム、ローラーボールにのめりこんでいく中、引退間際のスター選手
(J.カーン)がカミさんも取り上げられ、もがき反逆するというものですが
リメイク版は、ローラボールで身を起こした企業家(ペトロビッチ)が
放映権企業権を独占することで世界を牛耳ろうとする中で、人々の生活が
二分化してくる。一つは裕福で、もう一方は明日の希望もない人々
後者が一攫千金を求め、ローラボールの世界に入るのをスター選手となった
主人公(ジョナサン)は、Bランク選手の仲間の仕組まれた事故から
つかんでいく・・・それは彼の引退試合で『ルール無用の死のゲーム』に発展した・・
と、結構、原作のテイストは受け継いでいると思いました。
途中で、敵方のチームも『こんな人殺しのゲームなんかやってられるか』
と次々、反逆にでるシーンと、傷だらけになったジョナサンに、会場から
コールが湧き上がるシーンがスゴかったです。
無意味に、ボコボコ人が死んでるストーリーではなかったというのも
やっぱりポイントですね。
『007/ゴールデンアイ』のE.セラの選曲もいいですし、J・ディンチもカメオで
出ています。


ルル・オン・ザ・ブリッジ(1998)
サキソフォンプレーヤーのイジーはマンハッタンの
ナイトクラブで胸を撃たれて一命を取り留めたものの
プレーヤー生命を絶たれてしまう。
絶望の淵に居た、彼がある日倉庫で死体の横で拾った
鞄から出てきたものは、夜になると光る石だった。
不思議な力を持つ、石に惹かれた彼は、同封してあった
紙切れに書いてあった電話番号と名前の女性に連絡する
それは、つい最近、イジーの過去のCDを聞いたばかりだ
という、女優志望のウェイトレス、セリアだった
(原題名:Lulu On The Bridge)
監督:脚本:
ポール・オースター
ハーヴェイ・カイテル
(イジー・モリー)
ミラ・ソルヴィーノ
(セリア・バーンズ)
リチャード・エドソン
(デイブ・レリー)
ジーナ・ガージョン
(ハンナ)
ヴァネッサ・レッドグレイブ
(キャサリン・ムーア)
ウィリアム・デフォー
(ヴァン・ホーン博士)
グレッグ・ジョンソン
(スタンリー・マー)
ヴィクター・アーゴ
(ピエール)
REVIEW(***)
『一度も逢ったことのない女性に恋をした…』
このキャッチコピーに惹かれて見に行きたいなぁ…と
思っていたら、終わってしまったという。
『ルル』というのは、映画の中でM.ソルヴィーノ演じる
セリアが演じたヒロインの名前。劇中にアイルランドの
有名な橋からセリアが姿を消してしまう…ところから
とったのかもしれないけれど、某淀川さんが言うところに
よると、『ルル』はパラマウントのトーキー初期の
 ルイーズ・ブルックスという女優さんのニックネームが
『ルル』だった。彼女は借金取りに追われて
ドイツに逃げて、ドイツで映画を作るときにニックネームで
通したという…
そんな彼女と、セリアの人生をダブらせたのかもしれませんね。
途中から『石を返してもらおう』と出てくるデフォー演じる
博士は、イジーが潜在的にもっている罪悪観念や恐怖感が
形になって現れているのかもしれないし。
光る石は、自分の夢で、それを幼いころ取れなかった蛍に例え
蛍の話をするにしても、博士は『兄がとれて、お前は
取れなかった。ならお前の父親はどうしてたんだ』と問い詰める
シーンは、映画を見るものにも考えるスキを与えてくれます。
そして、『全てのものに愛をもって行ってきたか』という
ことがわかったとき、たぶん、セリアも消え、博士も消え、
あの『蛍の答え』もわかり、そして命が消えるころに実在する
あったこともないはずのセリアが十字を切ってくれたのでしょう。
少し間違えば、男性のロマンと重苦しくなりがちのこの映画
『どうしてら、すこし明るくなる?』とアイデアを求めたのが
S.ドーネン。だから『雨に唄えば』が入ってるのですね。


ロンゲストヤード(2005)
NFLのQBポールはMVPにも輝いたことがある選手だったが
八百長疑惑でNFLを追われ、堕落した生活を送っていた。
そんなある晩、飲酒運転で警官とカーチェイスを繰り広げ,懲役3年の
刑をかっくらいテキサス州の連邦刑務所へ。
 が、彼がここへ来るハメになったのは、看守のフットボール
チーム作りに精を出すヘイズン所長の目論見だった。
そこで看守チームに自信をつけさせるための当て馬として
即席囚人チームを作れ、作らねば刑期を延ばすという
卑怯な理屈を飲み込むハメに。
ムショにはいっても『八百長』と縁のきれないのにため息も
ついていられない、刑務所で親しくなった便利屋のケアティカー
と共に『脱獄できないなら反撃だ』とメンバーを集める
ポスターを貼ってメンバーを募集したものの、ロクでもない
メンバーしか集まらない。
そんな二人の下に、往年の名プレイヤー、ネイトが参入。
ムショ内のデータベースを検索し、凶暴性の高いのやら
俊敏性の高そうなメンバーをリストアップする。
足の速さを求めて対立していたバスケメンバーの中から
メゲットをリクルート、怪力だけど泣き虫なスウィトウスキ,
死刑判決3回の人間離れした巨人など,一癖二クセもある
メンバーが集まりいざ練習開始。
ネイトとポールの行き当たりばったりの指導の元
囚人はどんどん強くなっていった。
そんな中、いつも何かとムショ内の事に融通を利かせていた
 食堂係のオヤジのアンガーがスパイではないかと疑うポール。
それを所長に言った途端、練習場は看守の手で水浸しに。
そんなコトでメゲるわけもなく、泥まみれになって練習する囚人たちに
所長はアンガーを使い、さらに卑劣な罠を仕掛けてきた。
ポールの部屋に爆弾をしかけ事故にみせかけ殺そうとしたのだが
その罠に間違えてケアティカーがかかってしまう。
ケアティカーの死に、全員が勝利という名の報復を誓う囚人たち
試合の日はそこまで来ていたが、所長はさらにポールに
あの日の八百長以上の試練をあたえようとしていた…
(原題名:The Longest Yard)
監督:ピーター・シーガル
原作:アルバート S ルディー
脚本:トレーシー・キーナン・ウィン
出演:
アダム・サンドラー
(ポール・クルー)
クリス・ロック(ケアティカー)
バート・レイノルズ
(ネイト・スカボロー)
ジェームス・クロムウェル
ウォルター・ウィリアムソン
(エロール・ダンドリッジ)
(ワーデン・ヘイズン)
ネリー
(メゲット)
ボブサップ
(スウィトウスキ)
マイケル・アーヴィン
(ディーコン・モス)
ニコラス・タトゥーロ
(ブルーシー)
ビル・ゴールドバーグ
(バトル)
テリー・クルース
(チーズバーガー・エディ)
デヴィット・パトリック・ケリー
(アンガー)
トレーシー・モーガン
(Ms.タッカー)
アレン・コバート
(審判)
ウィリアム・フィットナー(クノール)
 
REVIEW(*****)
'74年にB.レイノルズが演じた映画をリメイクするにあたって
監督のピーター・シーガルは
『古きよき時代のアメリカンクラッシックカーを細心の注意を払って
ボディには手をいれずホイールやインテリアは手を加え走らせた』
という。何か、ジャガーマークUが馬力はないけどイッチョマエに
公道を走るビ○ートにかわった感覚にも似ている映画だった。
オリジナル版でポールを演じたのはいわずと知れたレイノルズ。
かつて挫折を経験したヒーローが次世代に自分の意思を
継がせるという役は彼の十八番になったといっても過言でない
かもしれない。『グレートスタントマン』に始まり、『ドリヴン』で
復活し、今回で健在ぶりを発揮している。
『リメイクするとしたら、今が最高のタイミングだ』と主張したレイノルズ。
「人々があの映画で気に入ってくれたすべての要素が、
今回はさらに素晴らしいものになっているんだ」。
オリジナルは、レイノルズがフロリダ大でフットボール選手の
花形プレーヤーだったにも関わらず怪我で断念に俳優業になった
経緯もこめて作られた映画だったが、こちらは
サンドラー映画特有のオフザケをミックス。
映画の中で、看守の試合を見るためにヴィデオを拝借して皆で見る
シーンがあるのだけど、当然、看守は『隠し撮り』も
してるワケであって(爆)最初は『隠し撮り暴露大会』
から明るく始まるのもお約束。
看守サイドの弱点をつかんでやろうと、ステロイドを常飲
してる看守のステロイド剤の中身を全部エストロゲンに
変えたら、看守がオ○マになってしまった(爆)
という『ありかよ!』なオチがB級で笑える。
あまりにもなってないチームにバスケチームが参入してくる
理由も『オレたちはダチが理不尽にヤラれて耐えてるのは
みてられねぇ』という廃れかけた江戸っ子根性が見えるのが
嬉しいっす。
でもって、いざ試合になると審判が看守サイドに買収されてる
と判ると審判の急所ねらってボカボカボールを狙い撃ちって
審判が、サンドラー映画カメオ常連のA.コバートだから
サンドラーちゃんもボロクソやっております。
でもって一番いいキメ手のタッチダウンはオリジナル版の
主人公レイノルズが持っていくというオイシイトコどりです
新旧主人公が見れるという映画ファンにとって嬉しいサービスです
GW公開じゃなかったら多分、二番興業でなくシネコン系列に
ギリギリひっかかってくれたかもしれないな〜と惜しいと
思ってるワタシでした。


リプレイスメント(2000)
フットボール・シーズンも終盤。あと3勝すればプレーオフ出場となるにもかかわらず、
ワシントン・センティネルズの主力選手が年俸アップを求めてストに入った。
チーム・オーナーのオニールは、かつての名監督ジミーに残る4試合を戦うため
代理選手を集めてるよう命ずる。
チームの司令塔となるクォーターバックとしてマクギンティーが目をつけたのは、
かつてオハイオ大のクォーターバックとして活躍し、学生選抜チームに選ばれながら、
シュガーボウルで大敗して引退したファルコ。
過去の栄光から遠ざかり、船の側面に付着した貝殻をこすり取る仕事をする彼に
金のためではなく、フットボールへの純粋な愛情からプレーする心を感じとる
実力は一流でありながらプレッシャーに弱かった自分への嫌悪感を克服するために
逃げ続けてきたこれまでの生き方を変える最後のチャンスだった。
そんなファルコに思いを寄せるチアリーダーのアナベルは、チームの集うバーを切り盛り
 していた。ファルコも彼女に惹かれるが、お互いがすれ違うばかり。
続いてスカウトされたのは、俊足だけが取り柄でボールのキャッチのヘタクソな
短距離ランナー、フランクリン,瞬発力と突進力は抜群熱血ポリスマンなのに
ゲームのルールがよく飲み込めていないベイトマン。キック力抜群ながら、体格貧弱で
 不良っぽい元サッカー選手のナイジェル。優れたプレイヤーながら、聾唖という
障害を持つブライアン。鋼のような肉体で相手の突進を阻むアンドレとジャマール、
そして相撲取り出身の日本人フミコ、刑務所服役中の牧師ウィルキンソン、
再生派のキリスト教徒ウォルターなど
いずれも他人に負けない能力を持ちながら、不運や、あと一歩の勇気のなさが
災いして“ダメな男”の烙印を押された落ちこぼれたちを集めてチームを作るのだが
第一戦は惨敗してしまう・・・ (原題名:The Replacements)
監督:ハワード・ドイッチ
脚本:ビンス・マケウィン
出演:
  キアヌ・リーブス
(シェイン・ファルコ)
ジーン・ハックマン
(ジミー・マクギンティー)
ブルック・ラングトン
(アナベル)
オーランド・ジョーンズ
(クリフォード・フランクリン)
デイビッド・デンマン
(ブライアン・マーフィー)
ジョン・ファブロー
(ベイトマン)
リス・エヴァンス
(ナイジェル・グラフ)
ブレット・カレン
(エディー・マーテル)
フェイゾン・ラブ
(ジャマール)
マイケル・“ベアー”・タリフェーロ
(アンドレ)
エース・ヨナミネ
(ジャンボ・フミコ)
トロイ・ウィンブッシュ
(ウォルター・コクラン)
マイケル・ジェイス
(ウィルキンソン)
ジャック・ウォーデン
(オニール)
ジョン・マデン
(本人役)
パット・サマーオール(本人役)
REVIEW(*****)
『挫折した男たちが勝ち組をブっちぎるために汗水流して戦う物語』
ありえない話と笑うのはカンタンっすが。ここ十年で一番好きな映画の
パターンになりつつある・・・『ドッジボール』もそうだったし(汗)
中途半端な女は入れないけれど、B級なノリがいいっすねぇ。
自分自身が障害を持っているので、ハンディがあったり性格が不器用で
誤解されてきた人間が理解されてどんどん勝ち進んでいくこういうノリは大好きです
キアヌが演じるのは『才能はあるのにお人よしすぎてプロになれなかった男』
傍若無人な強引さを持てなくて、ラスト近くでも、自分がボールを
もって走れば勝てるゲームでも『誰かボールを持ちたいヤツはいるか』
と聞いてしまう。肝心のキメるキックでもナイジェルが
『このキックを決めたら財産没収になっちまう』と弱音を吐かれたら
試合終了時間迫ってるのに、ボールを奪って走ってタッチダウンに持っていく
チームメイトのミスになっても擦り付けずに、自分に背負い込んでしまう
お人よしに引かれるアナベルにまで全く言い出せない甲斐性のなさ。
完璧系のイケメンなのに、ぼやぁ〜っとしたオーラの出てるキアヌならではかも。
かつて某クルーズも『トム・クルーズ/栄光の彼方に』というお情けモノの
フットボール映画ありましたが、こちらは自分の出世のコトばかり考えてる
オトコの話だったのに対し、こちらは『仲間と明日仲良くやれるために頑張る』
そんな感じ。いいっすねぇ。ジコチューイケズが増えてる中で、こういうのは癒されます
オーランド・ジョーンズはコレが一番面白いかもしれない(爆)
接着剤ベッタベタの手でボールをキャッチするシーンは『ありかよ』と。
しっかし・・・選曲はダレがやったんでしょう(爆笑)
近年、ラップ+HIP-HOPやトランス全盛時代にガンガンかかるカントリー系
ロックってのは(汗)オカンが『皆わかる曲』というのだからその懐かしさスジガネイリ
キスシーンで流れるのはポリスの「見つめていたい(Every Breath You Take)」 
ケンカをおこしてブタバコに全員ブチこまれ皆で踊って歌ってたのは
「I will Survive」これは『プリシラ』のイメージ強いですが、この映画でも
イケてます。チアダンサーを雇うのも『リプレイスメント』とりあえず踊れる人をと
ストリッパーのお姐さんをやとっちゃったものだから、相手チームがツラれちゃって
ペナルティ・・・ホンモノのゲームにないのだけど、『リプレイスメント』という
アメリカのプロの裏側の深刻さにあえて優しいまなざしをむけたのかもしれません。
いつくるかわからない『本番試合』への『お呼び』の為に万全に体調を整えておき
普段は違う生活をしているのが『リプレイスメント』
ストが終わると同時に全員解雇、CMのオファーもなく、さっさと散っていく
そんな彼らが何かで縁があれば・・・とほのかな願いをこめたラストになっているのが
救いでもある。


レインディアゲーム(2000)
クリスマスも近い日。車の窃盗で懲役をくらったルディは
出所すればただ故郷に帰ることだけを考えていたのに対し
カジノでのドサクサでブチこまれた同房のニックは刑務所内で
文通していた美女アシュリーと出所したら一緒になると浮かれていた。
が、ニックは刑務所内のいざこざに巻き込まれ死亡、ルディは
ニックが房の壁を埋め尽くしていたアシュリーの写真を見て
良心がとがめつつニックと偽り、出所後、アシュリーに会う。
が、二人の前に兄と名乗る銃の密売人ガブリエルが現れ、彼は
ニックの勤めていたカジノを襲撃する計画まで立てていた
しかも彼には強盗の経験がない。
ニックと別人と言い張った所で殺されるのは同じと踏んだルディは
成りすまし続け加担することに。
あの手この手で、逃げようとするルディは、二人が兄妹でなく
恋人同士と知り、ますます疑心暗鬼になる。
クリスマスの夜、彼ら一味五人はサンタの格好でカジノに
強盗に入るが、ルディは脱走、そこにはさらなる黒幕が潜んでいた…
(原題名:Reindeer Games)
監督:ジョン・フランケンハイマー
脚本:
アーレン・クルーガー
 出演:
ベン・アフレック
(ルディ・ダンカン)
ゲーリー・シニーズ
(ガブリエル)
シャーリーズ・ゼロン
(アシュレイ)
ジェームズ・フレイン
(ニック)
REVIEW(***)
当たれば健在、ハズすととんでもないことになるのがこの監督。
B・ランカスターの『大列車強盗』では国外に名画を売却しよう
とする画商を寡作の名優P.スコフィールド、それを止める
レジスタンス出身の整備士の役にランカスターと硬派一直線かつ
美術の価値まで教える名画にしたて、硬派映画監督の地位を
確立したのにM.ブランドに『ドクターモローの島』という
とんでもない駄作を作ったり、再起不能同然だった
A.マッカーシーに『イヤー・オブ・ザ・ガン』で甦らせたり
と見に行くのにヒヤヒヤする+脚本家もあって
出来は多分『イヤー・オブ〜』ぐらいまでいったら上出来かな〜
で、みにいけなかった作品でした。
結果は『イヤー・オブ〜』ぐらいナカナカです。
ま〜あの脚本家だから脱ぐシーンがあったのかもしれない…
カタブツ脚本家と組んでたら、銃撃戦のシーンになってたかも
しれないですもの。
ドンデン返しが何回もあって、セ○ンが悪役になるだろうというのは
わかるのだけど、まさかアレまで悪役になるとは(汗)。
ここまで正直にダマされ続けてるとベンアフが映画の中で何度も
『オレは家に帰りたかっただけなんだ』とボヤくシーンが痛々しいっす。
『ソード〜』のヒューたまが『ダマされたまんま』で
おわっちゃってボーゼン・・・だったのに対し、こちらはダマされたら
キッチリ仕返しをしてるリベンジ戦がスッキリです。
深読みすると、もしベンアフに殺されなかったらセ○ン、
真犯人まで殺してさっさとトラックで持ち逃げしたかもしれん(汗)
ベンアフがラストに残った札束を、ズダ袋にいれて故郷までの
道すがらポストに入れていくシーンは『オイオイ、盗んだ金だろう〜』と
思いつつも『先は考えないほうがいいか〜』と思ってしまったりもしました。


ラッキーナンバーセブン(2006)
それは20年前の、とある競馬から始まった。
アクイダスト・10レース7番目の馬に薬物注射が仕掛けられた
『八百長レース』、平凡な親父が『7番目の馬が勝てる』と
酒場で又聞きしてしまったのが、全ての始まりだった。
平凡な親父、エイブの甥、マックスは、若妻と息子ヘンリーと共に
しがない車の整備工として生計をたて、マイホームを夢見る父親。
この『一発』に賭け、ノミ屋のロスに危険を承知の上で2万ドルを
借金する。が、馬は途中でコケ、八百長はバレ、金を返せないと
判ったマックスは賭博の大元に殺された。妻も、子供も・・・そのはずだった・・・。

『ひどい話だな』
20年後、空港のロビー、NYの二大ギャング、ボスとラビの二人に
借金をしてしまい首のまわらないニックは途方にくれた顔でこの話を聞いていた。
男は、車椅子で淡々と話し続ける。それから数秒後、ニックは車椅子に乗せられていた。

そのニックの部屋にとまる『はず』だった男、スレブン・ケレブラはツイてなかった。
アパートはシロアリで取り壊しが決まり、ガールフレンドのもとに転がり込んだら
彼女は別の男性とくっついていた。荷物をまとめてニックの部屋を借りようと
ここまできた道中、強盗にキレられ、鼻をへしおられた・・・。
ニックを待っていても仕方ないので、勝手にシャワーを使っていると、お向かいに
住んでいる女検視官のリンジーが砂糖を借りにやってきた。
他愛もないやりとりに、気分がほころんだのもつかの間、スレブンはボスの一味に
連行されてしまう。
ボス曰く、『ニックには9万6000ドルの借りがある、返せなければ、ラビの
息子を始末しろ』と言い張る。
また、アパートに戻ると、今度はラビに呼び出されニックには6万の
借りがある、両者とも、『自分がニックじゃない』といっても
全く相手にしない。どうやらいわれたことをするしかないらしい。
スレブンが出て行った後に、両者の影にいる同一人物の殺し屋・・・グッドキャット。
 彼は味方か敵かもわからない。
スレブンは標的、ラビの息子イツザックがゲイなことを利用して、彼のいくレストランに
リンジーと二人で予約をいれ、それとなく近づき、複数のボディガードや赤外線センサーの
あるイツザックの自宅マンションの中で、いともあっさりと殺害に成功してしまう。
さらに背後にはグッドキャットの姿が、どうやら彼らは顔見知りのようだ・・・

ラビは気が付くと、自分の体がボスと背中合わせでくくりつけられているのを
知る、何故・・・かなり昔に見慣れたここは、ボスのオフィス・・・そして目の前の螺旋階段を
下ってくるスレブン・・・全ては20年前に用意されたことだった。
(原題名:Lucky Number Slevin)
監督
ポール・マクギガン
脚本:
ジェイソン・スマイロヴィック
出演:
ジョッシュ・ハートネット
(スレヴン・ケレブラ)
ブルース・ウィリス
(スミス・グッドキャット)
ルーシー・リュー
(リンジー)
モーガン・フリーマン
(ボス)
ベン・キングスレー
(ラビ)
スタンリー・トウーイッチ
(ブリコウスキー)
ミカエル・ルーベンフェルド
(イツザック)
ロバート・フォスター
(マーフィー)
ミケルティ・ウィリアムソン
(スロー)
ダニー・アイエロ
(ロス)
スコット・ギブソン
(マックス)
オリバー・デイビス
(ヘンリー)
サム・ジャガー
(ニック・フィッシャー)  
REVIEW(*****)
歯切れのいい唐辛子入りのクランチチョコみたいな(どういう例えだ??)
ピリっと辛いのだけど、甘くて軽い、後味の爽やかな、午後の
カルーアリキュールにぴったりのクライムサスペンス。
大人顔なのか、オコチャマなのか、あいまいなジョシュとアヤシ気な
B.ウィリスに、二人のオスカー俳優、そこにルーシー・リューと
配役も、話のテンポもトントンに進んでいくさまが気持ちよかったです。
映画の中で、『時間の流れ』のキーポイントになっているアイテムの一つが
スレヴンの腕時計。最初の場面でリンジーに
『追いはぎにあったのにどうしてとられなかったのかしら』と聞かれ、
彼の時計はそれから何度も出てくる、時には回想シーンに別の男の腕に、
時に、丸焦げになった検死体の腕に。
皮肉にも、腕時計の『存在』は『スレヴン』が何者かを物語る唯一のアイテム
として映画の中で正直に語られることになるのかもしれない。
『カンザス・シティ・シャッフル』が出てくるのは歌詞にあるように
『皆が右を向いている間に左を向け』が転じて、『他人をあざむいて
何も知らないフリをしてコトを成功させろ』という一連のスレヴンの
復讐劇じゃないでしょうか。
B.キングスレーの役名が『ラビ』というのにも、ははぁと。
ボスが『クリスチャン』なら『ラビ』はユダヤ、お互いが否定するのは
『ヘブライ(ハンムラビ)法典』の『目には目を歯には歯を』
つまり、『お互いの息子殺し』
それをやってのけるスレブンの苗字はケレブラ、ヘブライ語で
『Bad Dog』、このBad Dog、米国の俗語で『未払い借金』という意味もあるそう。
だから、ラビの前でニックと間違われても何も言わなかったわけかという。
ここで、『なかなかだな』と思ったのは、最終的に腕時計をめぐって『スレヴン』の
正体を電話で暴いたのは、『ジャッキー・ブラウン』でパム・グリアーが最後にいきついた
あの人、ロバート・フォスター。この作品がタランティーノへのオマージュでもある証拠だろう。
6年前の『ギャングスターナンバー1』では反発と憧れからギャングである
父親を殺し、頭角を現した息子には底深い孤独が待っているラストだった。
 が、今回、ギャングの『殺し屋』に命を救われた『庶民』は『復讐』の旅に出、終えることが出来た。
失われた、『20年間』を取り戻すには遅くないというかのように…。


らぶ・いぬ・ベンジー(2006)
『六群に一匹』しかいないという血統書付の真っ黒なママ
デイジーから産まれたベンジーはフワフワの真っ白。
悪徳ブリーダーのハチェットはベンジーを『雑種犬』と怒り、
つまみ出してしまう。それだけでなく、ハチェットは家族にも
威圧的で妻のクレアはいつも怯えていた。
そんなベンジーを見るに見かねたハチェットの息子コルビーは
父親に内緒でベンジーを育て、やがてベンジーはシャイだけど
好奇心のある犬にすくすく育っていく。
同じ頃、腕白が過ぎて捨てられたベロンチョは、野良犬狩りの
保護区職員をからかって遊んでる毎日の中、ベンジーに出会う。
コルビーはハチェットにベンジーを匿っていたことがばれて
ベンジーはコルビーが用意していてくれた隠れ家に
寄り付かなくなってしまった。
そんな折、街里を外れた所にたつ一軒家にすむ頑固そうな
フィンチおじさんがおなかを空かせて逃げ込むようにやってくる
ベンジーを見かね、餌付けをするようになるが、
ベロンチョは、何の悪気もなくエサを横取りしてしまう。
一方、ベンジーはママ・デイジーを何としても助けようと
悪戦苦闘するのだが、遊んで欲しいベロンチョと彼を
追ってきた保護職員に追っかけまわされ・・・
(原題名:Benji: Off the Leash!)
監督:脚本
ジョー・キャンプ
出演:
ベンジー
ベロンチョ
(シャギー)
ニック・ウィテカー
(コルビー.ハチェット)
クリス・ケンドリック
(ハチェット)
クリスティ・サマーヘイズ
(クレア・ハチェット)
ランダル・ニューサム
(リビング・ストン)
デュアン・ステファン
(シェルドン)
ネート・バーナム
(オジー)
メリンダ・ハーニー
(ミリアム)
ニール・バース
(ザカリア・フィンチ)
リンカーン・ホープ
(ドニー・マディソン)
 
REVIEW(*****)
みんなの大好きなベンジーが帰ってきた、お帰りベンジー!
あまりにも愛らしくて映画館も朝早くに並んで、一番乗りで行って
ド真ん中で見てきたのに何でこんなにレビューを書くのが遅いんだろう
パンフをいつも目の届くとこ(食卓)においてるからだろうか(コラ)
イヤなコトがあるとベンジーをみたくてついつい見てしまうパンフ
このパンフもなかなかナイス。公開前に『らぶ・いぬ・コンテスト』
というのが開かれて、全国から「あなたの愛犬を映画のパンフレットに!」
というので愛犬一同パンフになった姿はかわいいのなんの。
第二弾は映画館会場で、どどんと看板に。
飼い主さんの愛情をたっぷりうけた皆の顔が一斉にこっちを向いてる姿は
涙が出てくるし、いつも元気がもらえるし、泣けてくる。
そんな映画『ベンジー』が出来たのは監督、ジョー・キャンプが
一匹のテリア系ミックス犬『ヒギンス』に出会ったことから。
飼い主兼トレーナーのFrank Innが一番かわいがった犬で,初代ベンジーから
さかのぼること十数年前、'60年にInnはカリフォルニア州バーバンクの動物保護シェルターに
兄弟犬はもらわれていったのに、残されたヒギンスを見つけてひきとる。
彼は優秀なTVプロデューサーの目にもとまり、数々のTV番組をこなした。
時は過ぎ、ヒギンスも10歳過ぎた時に,『誘拐された子供を野良犬が助ける
映画はどうだろう』という構想を持ち込んだのがジョー・キャンプだった。
撮影中のヒギンズの年齢は実に13歳!
完全にお爺ちゃん犬なのに走る走る、その後の『ベンジーシリーズ』は
彼の娘のベンジャミン、三代目はヒギンスの遠縁に当たる犬が演じていて
監督の自伝の表紙に出ているベンジーは11月に来日された監督の話によると『三代目』
今回のベンジーはヒギンスの血縁から離れた『四代目』なのだそう。
今回、ここまで徹底したハートウォーミングな話になったのには
四代目ベンジーの『抵抗』があった。
NYに映画の宣伝にいった監督夫妻はベンジーが『一歩も部屋から出ないで』
と抵抗したのでルームサービスで通したという。
普段はミシシッピ州の寄宿学校で貧しい子供たちに勉強を教え生計を立て
ベンジーとベロンチョの里親として暮らすキャンプ夫妻、
今までの4作と違い徹底して『動物虐待への抵抗を人間関係の希薄にリンキング』
させながら、CGやSFXなどの一切の特殊効果なしで、大手メジャースタジオを通さず
『手作り』で作り上げた快挙には嬉しいものがある。
今回の映画プロモーションでも、ベンジーを連れて神奈川の動物愛護協会の視察に来訪し、
近年、日本で起こる動物虐待に憤りを隠せない様子だった。

外から見ると『野良に見える』ようでも、『家族のいる』ベンジーと
『帰るところのない』ベロンチョを対比させて描いている所や、映画の中盤近くで、ベロンチョが
いつも不器用ながら餌付けをしてくれる頑固なお爺さんに飼われるシーンが出てきて、
やっとベンジーの気持ちが判るシーンも快い。
悪徳ブリーダーの父親に実は家族虐待の前科があるという経歴もうなづける。
これも監督ならではのアイデアだろうし、現在社会への警笛のほんの一部だろう。
なんといってもいいのはエンディング、J.チェンの映画のようにメイキング仕立て。
これはDVDを買いたいっす。



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