ザ・ワン(2002)
この世が、もしも1つの宇宙でなく多次元宇宙でなりたってるのだとしたら・・・。
他の宇宙には違う自分がいるということになるのだ。この宇宙間を自由に横断する
ことは出来るが、それは多次元宇宙を監視するMVA(多次元警察)のエージェントに
限られていた。
元MVAエージェントのユーロウは、任務の最中に自分の分身を他次元で殺した。
その時に体内に殺した分身のエネルギーが流れ込んでくるのを発見した彼は
残りの124人を殺し自分が多次元唯一の存在『TheOne』になろうとする。
〜多次元の中で『自分』は一人しか存在しなくていい〜
122人を無断渡航の末、二年かかって殺し、123人目を殺したところで,かつての
相棒ローデッカーと新入りのファンチにつかまり、犯罪者植民地といわれる『黄泉宇宙』
へと送られることになった。が、かろうじて脱出した彼は最後のターゲット、
LA警察にいるゲイブの命を狙い、渡航する・・・。

監督:脚本:
ジェームズ・ウォン
共同監督:
グレン・モーガン
出演:
ジェット・リー
(ガブリエル・ユーロウ
/ゲイブ・ロウ)
カーラ・グギノ
(T.K・ロウ/
マシー・ウォルシュ)
デルロイ・リンド
(ハリー・ローデッカー
ジェイソン・ステイサム
(ファンチ)

Review(***)
 ゲームのような完全フィクションの設定ながら、考えさせられるところもありで長くない映画という、
『幕の内弁当』のような映画ざんした。
  どういうわけか、身内のレビューが芳しくないまま見に行ったものの、個人的な得点は
 いい方の映画です。『リーサル』で消化不足だった『悪役』を楽しんでやってるという
印象も受けました。『ホントに悪役やったらここまで冷たくなる』と言いたかったのでしょぉ。
振り返らず銃弾一発のシーンは自分でも『う〜これぞ悪役』だったかも
こうでもしないとジェット様、悪役まわってこないんじゃなかろうか(笑)コンドはコメディだなぁ
なんつったて、『殺されちゃった122人コスプレ』に挑戦したというジェット様。映画館に出たのは
ホンの一部でDVDでは全貌が見れるという。パツキン、レゲエは当たり前。アナタはもっと
爆笑の渦に・・・とまで書くとこの映画、コメディになるので、ここからはDVD借りるように(笑)
その『122人との対戦シーン出てこなかったやんけ』というのが、最大の減点ポイントになってる
ものの、DVDをみたら『この相手で戦ったらコメディになってしまう』と思われます。

お話戻して・・・今まで『いい人』を演じるにしても『どういう役なのかわからなかった』というRMD
での反省点をいかして『悩みながら戦う意味を見つけ出す主人公』にしたかったみたいです。
またユーロウとゲイブのカンフーの形もきっちり変えてるこだわりよう。後でフィルムみると
うくく・・・ジェット様はカラダがまっすぐだからやっぱりスタントさんと違いがわかっちゃうわ(爆)
ごめんなさいいいい〜美しすぎるアナタがわるいのじゃぁぁ〜
+映画の隠れたテーマとして『ご縁を大切にしなはれ』みたいなモノもあって、最後の最後で
ゲイブが救われたのが結婚指輪の痕だった・・・というトコはびっくりでした。
余談ですが、あの『多次元渡航ミニマシーン』ジェット様が持ってると『メールチェックしてる
予備校生』にしか見えなかったのはアタシだけではなかったハズだ(滝汗)
DVDは例の『122人』を見る意味でも要チェック。そこで爆笑した人には星一つ追加かも。
 


13デイズ(2000)
'62年10月12日から13日に渡った『キューバ危機』を当時の大統領特別補佐官
ケニー・オドネルの視線から描いたドラマ。ケニー・オドネルからのインタビューと
JFKの弟であり司法長官でもあったR.ケネディの回顧録『13日間』を元に
話は展開していく。
時は翌月に行われる中間選挙に向けての準備に追われた'62年10月、偵察機U-2は
キューバ上空で弾頭ミサイルを発見しカメラに収めてくる。
カストロ政権後、アメリカは国交を断絶、ソ連側に歩みよったキューバは、
目と鼻の先の資本主義国アメリカにその刃をたてる形となった
もしこの弾頭ミサイルが何らかの形で発射されて、どちらかに犠牲者がでれば
米ソ間の核戦争は免れない。諸外国も巻き込むことになる
JFK自身も、どちらにも犠牲者を出さない方針でいるつもりだったが、その本心を
語れるのは、弟のボビーこと司法長官のR・ケネディと大統領特別補佐官で
弟のルームメイトだったケニー・オドネルだけだった。
この際、アメリカの力を見せ付けようとする国防省の考えに押されながらも
どうやって『外交政策』で乗り切ったのか・・・世界を震撼させたあの『危機』
の一日目のEXCOMは召集された・・・
(原題名:Thirteen Days '01年1月UPDATE)
監督:
ロジャー・ドナルドソン
脚本:
デヴィット・シェリフ
出演:
ケヴィン・コスナー
(ケニー・オドネル)
ブルース・グリーンウッド
(ジョン・F・ケネディ)
スティーブン・カルプ
(ロバート・F・ケネディ)
ディラン・ベーカー
(ロバート・マクマナラ)
マイケル・フェアマン
(オドレイ・スティーブンソン)
REVIEW(****)
『脇に回るべき役』がきちんと脇にまわったいい映画だったと思います。
エ?それって某コ○ナーのことぉ?わははのは。それもあるけど、撮影監督の
A.バードコウィアク,オマエもだ(汗)『ロミオ〜』は成功したけど『ブラック〜』で
コケたもんなぁ。撮影監督としてきっちり脇固めに回ると腕は確か。
実写フィルムとモノと古いフイルムとVTRの使い分けをきっちりして、臨場感あふれる
撮り方をしたのは、さすがS.ルメットの下でガンバっただけあります。
衣装だけでなく、インテリアからセットの時代考証も見ててスキっとしたのも確かです。
何より一番『似てた』と当時を知る人からの評判が高いのがR.ケネディ役のS.カルプと
マクマナラ。S.カルプは『ノーマジーンとマリリン』でも同じ役だったので、板に
ついてるのかも。
JFKがなくなった後に生前の膨大な薬の処方箋が出てきて、あの事件がなくても
早くに亡くなっていただろうという話があったのも、映画に盛り込まれていたのも
細かいなと。WASPが白人層の大半を占める上『先駆者はたたかれる』国で、
アイリッシュの一代者が大統領になることの難しさを身をもって示したともいえる
かもしれないです。
キューバを最偵察にいく爆撃機のパイロット(打ち落とされるなと言われてくるほう)
がJFKの甥というのはJFKの父親が映画配給会社から一代をなして英国大使になった
アレも含んでるんでしょうか?むむ。
この間レビューの再録にあたり地上波放映を見たものの、ブチブチカットの上
吹き替えが津嘉山さんではない〜(涙)他がよくてねぇ、結構この映画吹き替えが
よろしいのでDVDお持ちの方は吹き替えでもみてくださいませ。


サムライ(1967)
暗殺者ジェフは、精密機械のごとき手際よさ、決してつかまる事
のない鮮やかさを持ち用意周到でありつつも、警察の張り込みを
承知の上で, わざと現場に現れる。
ある夜、ナイトクラブのオーナーを始末した後、彼は出入りしている
ジャズピアニストに顔を見られてしまう。
だが、彼女はなぜか警察にそのことを言おうとしない。
彼は彼女に自分を見たことがないと証言するように頼み、また愛人にも
同様にアリバイ作りを頼む。
だが、彼の努力も空しく、自分自身を証明するたび、
彼は窮地に追いやられていく。
皮肉にも、彼のもとに新たな指令が下された、彼はピアニストを始末しなくては
ならなくなる・・・
(原題名:Le Samourai USA Title The God Son)
監督:脚本:
ジャン=ピエール・
メルヴィル
原作:
ジョアン・マクロード
出演:
アラン・ドロン
(ジェフ・コステロ)
ナタリー・ドロン
(ジェーン・ラグランジ)
カティ・ロジェ
(ピアニスト)
ミシェル・ポアロン
(主任警部)
REVIEW(*****)
警察の張り込みを承知の上で現れるドロンの何てクールなこと!
ラストなんて、わかりきってるのに何で?何で?って言いたくなっても『美学』って
言えば、それですんじゃうのかいな、と。
某『シ○ーンComeBack!』のA.ラッドの『拳銃借します』の初期の
作品に似たトコロもあるんですが(汗)こっちは時代が戦争前に
作られた+マズいシーンは皆カットのハリウッドにあって、殺人
シーンもないという。そのニュアンスに『硬派』な部分を
付け足して完成させたのがこの作品
  フィルム=ノワールの巨匠J=P=メルヴィルの『死の美学』にオンナ禁物
という一説が盛り込まれた映画でも、ありました。
 何事にもディティールにこだわる監督のもと、ドロンがソフト帽の
被り方にすごく気を使ってるのが映画の随所で感じられます。
ダメオシも何回かあったろうにな〜。
神経質なドロンのことだから、自分でダメオシ出したトコもあったかもしれない。
 話として、前半はセリフもないので、今の映画に慣れてる方には辛いかも…
一番のオススメは、ガマンしてみた後のラストシーンす。
スナイパーとしての感謝と淡い心を空の銃にこめてピアニストに銃口をむけ、
『…仕事さ…』といってる目が明らかに、哀し気なのね。
う〜んここまでいっちゃったので見たってください、ドロンさまのオトコぶり。


サブリナ(1995)
 代々続く裕福な名家のララビー家は主人亡き後、女主人モードと
 その長男ライナスで今は事業拡大にいそしんでいる。
次男のデヴィッドはガールフレンドを沢山つれ遊び放題の
毎日だったが、ララビー家のお抱え運転手の娘サブリナにとって
彼は長年の憧れの人だった。しかしデヴィットにとって彼女は
ただの使用人の娘にしか過ぎない。
哀れに思った女主人モードは彼女をパリに留学させてヴォーグの
スタッフにさせる。そして二年後・・・洗練され美しくなって
戻ってきた彼女に皆が眼を見張った。
その頃デヴィットには政略結婚が決まっていたが、彼の気持ちが
サブリナに傾きかけたのを知った長男ライナスは、それを
とめようとしているうちに彼女にひかれていく・・・
(原題名:Sabrina)
監督:
シドニー・ポラック
オリジナル:
ビリー・ワイルダー
脚本:
サミュエル=L=テイラー
出演:
ジュリア・オーモンド
(サブリナ・フェアチャイルド)
ハリソン・フォード
(ライナス・ララビー)
グレッグ・キニア
(デヴィッド・ララビー)
ナンシー・マーチャンド
(モード・ララビー)
ジョン・ウッド
(トム・フェアチャイルド)
REVIEW(***)
ビリー・ワイルダー+ヘップバーンの『麗しのサブリナ』を
現代風に・・・てのは全く意識して見てなかった当時(おいおい)
やっぱり時代もあって、オリジナルでは料理学校へいくサブリナが
パリにファッションの勉強しにいったり。プラスッチックの
開発会社だったオリジナルのララビー家が今回はTVの開発してたり
何より、クライマックスでライナスが追っかけていくコンコルド。
ありゃ、これからリメイクしても見れないだろうな、と。
追っかけていくのにコンコルドを大マジで使ってしまう眼鏡姿の
ハリソン様。オリジナルのハンフリー・ボガードをどこまで意識した
かは知りませんが、なかなかシブく、面白く、カワいく仕上がった
ハリソン様に、違う一面が見えた気もしました、ハイ。
サブリナを演じるという点ではオリジナルより、こちらの方が
気にっています。二年後にキレイになって帰ってくるあの
『ドラマッチック』さが、オードリーだとホントにキレイすぎて
だせないかも。J.オーモンド、そこら辺よかったです。
G.キニア〜『恋する遺伝子』もそうだけど、フラれ役の
プレイボーイ板についちゃいますねぇ。


スーパーサイズ・ミー(2004)
それは'02年の感謝祭にドキュメンタリー監督、M.スパーロックが
実家で見ていたTVニュースに始まったことだった。
ブロンクスに住む小学生の女の子2人が、糖尿病になったのは
マクドナルドのせいだと、マクドを訴えたのである。
一方、マクドはこの訴えを退けたばかりか、マクドの食品は健康的
とまでいいだした。
もし、マクドが健康食品なら常食して糖尿病になるワケもない。
スパーロックの恋人はベジタリアンのシェフで、ニューヨーク在住の
彼は必然的によく歩く。マクドはあまり食べない生活だ。
よし、それじゃ、『実証』してやろうじゃないの。
1:三食マクド漬け、自分自身で30日間実行する。
2:『スーパーサイズはどうですか』といわれたら断らない。
 3:全てのメニューを一度はクリアすること。残さないこと。
食生活の問題を抱えたアメリカの20の都市を周り、食生活の実態を
体を張って、暴いていく、ドキュメンタリー。さて、30日後、スパーロックは
どうなるのか?
(原題名:Supersize Me)
監督:出演:
モーガン・スパーロック
アレックス(ベジタリアンシェフ
監督の恋人)
ダリル・アイザック
(内科)
リサ・ガシュ
(心臓・肝臓科)
スティーヴン・シーゲル
(心臓外科)
ブリジット・ベネット
(栄養士
ダイエット指導)
エリック・ローリー
(運動療養士)
マーク・フェントン
(元『ウォーク』誌編集長)
REVIEW(****)
いやはや、この映画見た後、ジュースバーでジュース一杯しか
飲んでいません+週末に倒れております(涙)。
外食は週に一回するかしないかの人間にとって見るのがキツかった
かもしれないです、のに、これを見た後で、『どこか食べに行こうか』
ってた親子連れや、映画館でマヨネーズたっぷりのサンドイッチ
食べてた人がいたのに,信じられなかった管理人です、おええええ
映画の前後問わず,食欲のわいて来る人たちが信じられない・・・(汗)。
ドキュメンタリーという観点からしてみて『華氏911』と違う点は、
はじめからマ○ドを槍玉にという観点で描かれているわけではなく
『貧しい人程、食生活にお金をかけられない上、そこにファーストフードが
政治絡みで食い込むアメリカの実態』を警告したかった、たまたま
マ○ドは一番大きな業界で、誰にでもわかりやすい媒体だったまでのこと。
自分が、やった理由は、他人に任せたら、カメラの回ってないところで
別のモノを食べている可能性もあるかもしれないからということ
なんだそうな。なるほろ・・・。
かつて、あんなに大好きだったマ○ドやケ○タ、減量と同時にほとんど
行かなくなってしまった存在だす。
とにかくこの映画、『三日の苦行を過ぎれば、マ○ド中毒になる』という
あたりもコワいのだけど、もどしながら食べるシーンもあるわ、
監督がマ○ドのスーパーサイズを食べた映像の直後に、太りすぎの
患者さんが脂肪吸引の手術を受ける映像が組み込まれてたりするわで、
見てるこちらが、『マ○ド食べ過ぎて胸つまりそう』な状態になりそう
だという。つくづく、『食は五感をフルに使って味わうべし』を
叩き込まれた映画でした。まさか、マ○ドの食べすぎで『あんなこと』
にまで影響がでるとは(爆笑)。恋人は泣くだろうなぁ(滝汗)。
ってコトは精力保つ為には『粗食』にしろっーつコトですか(笑)
 あのマ○ドの『バーガー+チーズ』にはある種モルヒネと同じ作用があり
リピート買いしてしまうという研究結果や、バスキン&ロビンスの創立者の
死の謎、アメリカの給食の実態。冷凍食品を解凍するだけのオソマツな所
からハンドメイド学校まで、企業の補助金という甘い誘惑に惑わされずに
学校そのものが生き残る所から、健康への道が始まってるという。
管理人が高校生の時なんて、ジュースの自販機なんてホトンドなかった
モンなぁ・・・私立だったのに(汗)。
でもって、肝心のアメリカでは『肥満になっても企業を訴えるな』という
その名も『チーズバーガー法』が出来たそうな。
で、映画で話題になった『スーパーサイズ』も廃止に。でもアメリカの
Mサイズはおフランスのラージサイズと同じサイズなんだそう。
これじゃ、あまり説得力ないですねぇ、はぁ。 すべては自分の責任だ、というハナシだそうですが(汗)
『粗食が一番高くつく現代社会』どう思われるでしょうか。
どこか矛盾してると思うのですが(汗)


サイダーハウスルール(2004)
メイン州ニュー・イングランド。人里はなれたセント・クラウズにある孤児院で
産声をあげた子供は、ホーマー・ウェルズと名づけられた。
ウィルバー・ラーチ院長、そして二人の看護婦アンジェラと
エドナに面倒を見てもらい、他の子と同じように、ここから
新しい家族のもとへ巣立っていくはずだった。ところが、
何度引き取られても彼は親たちの希望に添うことができなかった
彼をラーチは留め父親のように愛情を注いだ・・・
ラーチ院長の仕事、それは分娩と当時禁止されていた堕胎だった。
産んでも育てられない子どもを宿し、行く当てのなくなった女性を
「救うため」とホーマーに医術を教えてきても、彼は『堕胎』
だけは手伝わなかった。それは仮にも人を殺すことだという
信念からだった。
ある日ホーマーの前に堕胎の手術のために若い女性キャンディが
恋人のウォリーと共に現れた。
二人を見て、外の世界の明るさを感じたホーマーはラーチに
孤児院から出たいと申し出るのだが・・・
(原題名:The Cider House Rules)
監督:
ラッセ・ハルストレム
脚本:
ジョン・アーヴィング
出演:
トビー・マクガイヤ
(ホーマー・ウェルズ)
マイケル・ケイン
(ウィルバー・ラーチ)
シャーリーズ・セロン
(キャンディ・ケンドル)
ポール・ラッド
(ウォリー・ワージントン)
デルロイ・リンド
(Mr.ローズ)
エリカ・バドゥ
(ローズ・ローズ)
キーラン・カルキン
(バスター)
キャシー・ベイカー
(アンジェラ)
ジェーン・アレキサンダー
(エドナ)
ヘヴィ・D
(ピーチズ)
REVIEW(****)
原作は'80年代後半に書かれたもので、当初D.リンドの役と
別の監督で映画化が進行していたそう。それをハルストレム監督が
一度は企画を見送ったものの映画化したということだそうです。
劇中でキーランが演じる役も、企画段階ではトビーだった
らしく、時がすぎるにつれ、トビーがホーマーの年になったという。
映画全般を通して流れるコントラストと逆説的な考えが
この時代に生きたアンドリュー・ワイエスを思い起こさせる
色使いの色調と共に、じわじわと印象に残る映画です。
ストーリー全体はあくまで『登場人物の二面性』を焦点に
進んでいく感じがしました。
ホーマーは、孤児院の模範生でもあったけれど、いつか
ここを出たいと思っている、ラーチは説教好きで博愛主義に
見えて、ホーマーの未来には頑なだ。ミスター・ローズは
威厳あるように見えて略奪的で卑しい所もある。
そして、あの果樹園も開放感あふれるように見えていたのに
暗い現実を知ったそのときにホーマーは、愛される原点を知り
戻っていくのだと思う。
それが遅かったのか、あれでよかったのか・・・それは
ご覧になられた方の判断に任せたいと思います。


その男ゾルバ(1964)
夢も希望もないイギリス人の作家バジルは、父親の残した遺産の
事を知り、一路、ギリシャのクレタ島に向かう。
クレタ島に向かう船着場で、彼は豪放磊落な男ゾルバに出会い
彼がしつこく『雇ってくれ』というので、彼を雇うことにした。
が、どこの馬の骨とも知らないゾルバの生き方は破天荒そのもので、
つくや否や、町一番の悪評の、フランス人の売春婦の所に
泊めてもらおうと交渉したり,バジルの仕事にちょっかいを出してくる。
そんな彼が、バジルに教えたのは『人生は素晴しい』ことだった・・・
(原題名:Alexis Zorba)
監督:脚本:
マイケル・カコヤニス
原作:
ニコス・カザニス
出演:
アンソニー・クイン
(アレクシス・ゾルバ)
アラン・ベイツ
(バジル)
イレーヌ・パパス
(未亡人)
ライラ・コドローバ
(ホーテンス夫人)
ソティリス・ モスタカス
(ミミトス)
ヨイゴ・ヴォヤジス
(パヴロ)
REVIEW(****)
アンソニー・クインとえいば『ゾルバ』というぐらいのハマリ役。
こればかりは老いても、オマー・シャリフでは出来ないかもしれないです。
豪放磊落で破天荒、上品でないけど、かつては乱暴者でワガママ
なのに憎めない、けれど人生に必要なものを沢山持っているという
今の管理社会で、こんな人は出てこないんじゃないだろうかという。
『人生で何が大事か』がわかっていて、それにつべこべ言うな
机上の理屈をこねても実践が伴わないと何もならない、という
事をいいたかったのでしょう。
人生経験は机上の学習やお金ではかえない。だから先人に
学ぶ必要があるのだと。
いくつかの、不必要なシーン(未亡人やホーテンス夫人の突然の死)
があったのは、監督が何を意図していたのか未だにつかめない
のですが、(多分、自らの人生に予測しえない不幸があった、だから
とんでもない行動=踊りにでてしまったというのにつながるのかも)
ゾルバは、やることなすこと、とことん失敗ばかりに終わり、
これが最後の手段だ、これでしくじったら、全部パーだという
仕事になる時に突然、踊りだします。
そんな時に、身内をなくして、踊りだしてしまった・・・人間本当に
怖い事に直面した時には、何をしでかすか判らない・・・それを
いいたかったのかもしれないです。
結局ゾルバの仕事は失敗だらけ、バジルも親の遺産でボロ儲けしよう
としたのをふっきって、ゾルバにダンスを習う有名なラストに
つながります。
自分の尊敬する分野に長けてないから尊敬できないとは限らない目上の人間。
もし、貴方が、どないしようもない目上を雇わなければいけなくなったときに
こんな映画いかがでしょうか。



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